住宅性能の認知広がり、対象必須
飯田GHDは、グループ傘下の6社(一建設、アーネストワン、飯田産業、東栄住宅、アイディホーム、タクトホーム)の建売分譲住宅の躯体性能を、住宅性能表示制度に基づいて統一基準を定めた。
基準は耐震性、劣化対策、維持管理配慮の各項目は等級「3」、そして「温熱環境」については最高等級「4」、もしくは一次エネルギー消費量等級にするというもの。
飯田産業と東栄住宅はそれまでに住宅性能表示制度を導入していたが、他の4社は未導入で、建築基準法に定めのない温熱環境対策に関する断熱については各々で違いがあった。同統一基準は、昨年6月の段階で、6社全供給棟数の約8割が達成していた。
建売分譲の顧客層は一般的に、性能よりも立地や価格を重視する傾向がある。この施策は、年間に販売される4万棟近くの新築戸建住宅の省エネ性向上が確保されたことになる。
飯田GHDのこの基準統一については、業界関係者が大きな関心を寄せている。既築住宅事業の大手業者役員は「ローコストといわれる住宅が長期優良を目指しているということ。
パワービルダーの飯田グループがその方向に向かうというのだから、業界がそれ以下の性能では住宅を建てられない」と話している。
さらに同氏は「3・11以降、生活者が住宅の性能の重要性を認識したために、特に首都圏の事業者は、これに取り組まざるを得なかったという面もある」とエンドユーザーの住宅性能に対する意識の変化についても指摘する。