
住友林業(東京都千代田区、光吉敏郎社長)が茨城県つくば市で2024年5月から建設を進めていた木造軸組工法とRC造の混構造による6階建ての社宅が25年5月末に竣工した。
RCの床版と木梁を組み合わせて梁せいを抑える独自構法やRC造と木造をつなぐ接合金物、独自開発の耐火部材、漏水リスクの低い貯水型植栽トレイなど、木造の中大規模建築を実現するための技術や構法、部材などを導入した。
「この物件で中大規模木造建築の設計・施工のノウハウや課題、技術検証などを行う」として、次の中大規模木造建築の受注につなげる考えだ。
同物件は、約2850平方メートルの敷地に建つRC造と木造の混構造による6階建て・総戸数46戸の共同住宅兼店舗・事務所。建築面積は498平方メートル、延床面積は2124平方メートルの耐火建築物。屋上に67キロワットの太陽光パネルを設置したほかヒートポンプ式給湯器や高効率エアコン、2重窓などの「創エネ+省エネ」によって一次エネ削減率75%を実現している。
建てる時のCO2排出量を算出できるソフト(ワンクリックLCA)を使い、100%リサイクルアルミを採用した窓などのCO2排出量の少ない部材を使用。軒天や住戸天井などの仕上げ材の一部に国産材を使用するなど、環境性能にも配慮した。炭素固定量は、40年生のスギ約878本に相当する267トン。