既存ストック活用策としての新築住宅

2016年01月01日05面_住宅産業

新築は良質ストックの出発点

 国土交通省は、既存住宅ストックをリフォームや建て替えによって質の高い住宅への更新を図り、良質な既存住宅ストックが住宅市場で流通し、将来世代へ住宅が受け継がれていくような「住宅循環システム」の構築を目指している。新たな住生活基本計画の骨子案でも「住宅すごろくに代わる新たな住宅循環システムの構築」として盛り込まれた。その構築に向けた対策案では、住みたい・買いたいと思うような既存住宅の「品質・魅力」の向上が必要とし、そのために高品質で魅力的な資産として承継できる安全な新築住宅を供給することが重要である旨が示された。
 新たな住生活基本計画(全国計画)策定に向けて議論中の社会資本整備審議会住宅宅地分科会(分科会長=浅見泰司東大大学院教授)の中で、同省は住宅ストックについて分析している。それによると、住宅ストック総数は約6063万戸、うち人が居住している住宅が約5210万戸、残りが空き家などを含む約850万戸と推計。人が住んでいる5210万戸のうち、耐震性・バリアフリー・省エネの全てを満たす住宅が約200万戸で、それらを「将来世代に継承できる良質な住宅」と位置づけた。今後、人口・世帯数ともに減少していく中で空き家の増加を抑制するには既存住宅ストックを活用することが必要となり、そのためには「将来世代に継承できる良質な住宅」のストックをいかに増やすかがカギとなる。
 分析をもう少し見ると、耐震性はあるがバリアフリーと省エネのうち1つもしくは2つとも満たさない住宅は約3500万戸としており、これらについて同省は、良質ストック化するための手段として主にリフォームで対応することを考えている。
 一方、1980年以前の旧耐震住宅約1500万戸のうち実際に耐震性のない住宅を900万戸と推計。耐震性のない住宅を耐震性のある住宅へリフォームで対応するのは難しい面もあると判断し、900万戸の耐震性のない住宅については、主に建て替えによって良質ストック化することを見据えている。

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