リフォーム団体登録制度、3団体の意気込み

人材の育成が業界最大の課題に

(一般社団法人住生活リフォーム推進協会・田口和敏代表理事)

当協会は、国土交通省の住宅リフォーム事業者団体登録制度への登録を狙いとして立ち上げた。登録制度が創設されたとき、LIXILのFCに加盟する全国14地域の代表店に、同制度への対応方針を確認した。LIXILとしては、既に団体登録に向けて動いていた他団体へ誘導するという方法もあったが、FC加盟店からは「新しい団体を立ち上げたい」という声があがった。FC加盟店の業界団体への加入状況を確認すると、約8割がどこの団体にも所属していなかった。そこで、FC加盟店に発起人になってもらい、メーカーが団体活動をサポートする形で、「住生活リフォーム推進協会(HORP)」を創設した。

FC加盟店には、「将来性を考えたとき、国の『お墨付き』(団体登録)がリフォーム事業を展開するうえで重要になる」という認識があった。

団体登録の要件を満たしていたのは、LIXILとしては唯一、約400社で構成するFC組織のみだった。団体登録には2年の活動実績が必要になる。最短で団体登録をするために、団体登録までは会員をFC加盟店に限定するが、登録後は一般のリフォーム事業者にも開放する。もうひとつの要件の会員数100以上という項目は、既にクリアできた。

国策と連動した活動に

当協会は、国策と連動した人材育成を活動の柱とする。例えば、住宅履歴情報を作成するために必要な住宅診断技術者(インスペクター)などを育成していく計画だ。会員は全員、インスペクターの資格を取得してもらう。今後は、住宅構造(スケルトン)の診断だけでなく、設備機器(インフィル)の診断も必要になってくるだろう。国が方向性を示したら、当協会もその方向に沿って活動していく。

人材育成や教育は、会員同士の技術レベルに差があると難しい。しかし現在は、会員をFC加盟店に限定している。技術のバラツキがある程度は把握できているため、効率的な講習が組める。

リフォームはどちらかというと嗜好品、サービス業に近い。サービス業で重要なのは『人材』だ。職人不足や高齢化など、リフォームを担う人材をどう育てるのかが業界最大の課題だろう。

新築は大手のハウスメーカーや分譲事業者が大半を手がける集約型ビジネスとなった。しかし、現在のリフォーム業態をみると、リフォームを集約型にするのは難しいだろう。消費者は、リフォームをどこに頼めば安心なのか、どの業者が信頼できるのかわからない。まだまだ負のイメージが強い業界だ。国によるリフォーム事業者団体登録制度は、消費者の不安や不信感を払拭できる制度とみる。

今後、国は、登録団体や登録団体に加盟するリフォーム事業者に対して、情報提供やファイナンスなどの支援策、優遇措置を打ってくるだろう。そうなれば、リフォーム事業者にとって、いずれかの登録団体に加盟するメリットが生まれる。

2015年01月01日付4面から抜粋
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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