2015年09月15日 |

現在建てられる木造戸建住宅の多くは、構造材の接合部を金物で補強するか構造金物で固定する建築手法がとられており、柱・梁は外材を使った集成材が使用されている。壁は構造用パネルや石こうボード張りが一般的だ。これに対し、接合部を木の「込み栓」で留め使用木材は国産のムク材、壁は土壁といった日本古来の伝統構法を扱う事業者も、数が減ったとはいえ存在している。三重県津市に拠点を置き、伝統構法の独自ブランド「渡り腮(あご)構造 森林力の家」の建築請負業を展開する個人事業主の松橋健代表も、その1人だ。専属建築士と2人で元請けを行う小所帯だが主に県外の高額所得層の心をつかみ安定して契約を獲得、現在は南関東エリアでこれまで手がけてきた中で最大となる延床面積約90坪の物件の建築を進めている。所得の伸び悩みを背景にローコスト化の動きが強まりつつある新築戸建市場において松橋代表は今後とも、高額帯となる伝統構法による木造住宅建築を続けていく考えだ。