近年の新築マンションの供給数減少を、競合する分譲戸建てや中古住宅で賄いきれず――。長谷工総合研究所は20日、首都圏と近畿圏のマンションに対する潜在需要の考え方の検討を行った。それによると2005年~10年の首都圏・近畿圏の持ち家ストック増加に占めるマンションの割合は、5割程度と00年~05年と比較してほとんど変わらず、08年以降の分譲マンションの供給減ほど需要が低下していない。
一方、分譲戸建住宅と中古住宅の成約件数推移は増加傾向にあるものの、新築分譲マンション減少分を補うほどの増加とはなっておらず、魅力ある大型物件や一次取得者向け物件の供給増によって潜在需要の顕在化を図ることが重要だとした。
同社では、最新の国勢調査や国立社会保障・人口問題研究所の推計値、持ち家率、住宅着工戸数、中古住宅の成約件数などを基に潜在需要を検討した。家族類型別で世帯割合をみると、単独世帯の占める割合が高まり、10年は首都圏で37・2%、近畿圏で32・7%となる一方、ファミリー世帯は首都圏で28・5%、近畿圏で29・2%に低下。
ただ、ファミリー世帯の絶対数では、首都圏で1985年の約444万世帯から10年の約443万世帯、近畿圏で85年の約277万世帯から10年の約252万世帯で大きく減っていない。
2012年6月28日付け8面から記事の一部を抜粋
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