窯業系外装材最大手のニチハが全部門の構造改革に取り組んでいる。市場成長に合わせて設備増強を続けた生産部門が、収益体制を圧迫していたからだ。構造改革の責任者を任された吉田康則執行役員は「長く『ものを作れば売れる』時代を経験してきたニチハには、コスト意識が足りない」と分析する。製造部門で一定の成果をあげた構造改革の矛先は営業部門に向かう。テーマは「エコを軸にユーザーに選ばれる企業に、そして商品の開発」だ。
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――ニチハが取り組む構造改革とは
10年度から12年度までの構造改革『NC21』に取り組んでいる。08年のリーマンショックに加え、グローバル化の進展は各種資源・エネルギーの高騰を招き、さらに少子高齢化・人口減少などによる国内住設市場の変化を背景に、従来型のビジネスモデルの変更を迫られており、経営体制を抜本から見直す必要があった。
まずは、製造部門のコスト要因を洗い出し、会社全体で21%のコストを削減する。NCには「Need Cost」という意味も込めた。当時の製造部門はコスト意識が低かった。