【入社式訓示2019】市川晃住友林業社長、真のグローバル人財に

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市川晃社長市川晃社長

新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。ようこそ住友林業へ。

今日から皆さんは社会人として、本当の意味で独り立ちをされますが、こうして今日という日を迎えることができたのも、ご両親をはじめ、様々な方々のサポートがあってのものです。今一度、これまでの日々を振り返っていただき、支えて頂いた方々に対して心から感謝の気持ちを持ってください。

今日、私から3つの話をさせて頂きます。

1つ目は住友林業グループの歴史、経営理念について。2つ目は住友林業グループの事業の方向性ついて。そして3つ目は人生の先輩として皆さんに贈る言葉です。

住友林業グループの歴史・経営理念

まず、最初に、住友林業グループの歴史、経営理念についてお話しします。

当社の創業は、住友家が四国別子銅山を開抗した1691年(元禄4年)に遡ります。

328年前に、別子銅山の山林部門として、施設の建設資材や坑道を支える坑木、燃料としての木材調達を担ったことが始まりです。

その後、約125年前には、荒廃した山の緑を元に取り戻すために、大造林計画を実行します。以来、山林事業を拡大させ、現在では、国土の800分の1を超える約4万8千haの山林を所有し、海外でも約23万haの森林を管理、保有する会社となっております。

そして約65年前には、国内材の集荷販売体制を構築し、木材建材事業本部を立ち上げ、そして海外ネットワークを拡充、建材の製造に携わるとともに、木材建材の専門商社としては国内NO.1の地位を確立しています。

また、住宅事業本部については、約45年前にスタートし、木造注文住宅事業において業界のリーディングカンパニーとしてゆるぎない地位を築き上げています。

そして近年は、国内でのリフォーム事業や住宅以外の建築物の木造化・木質化を推進する木化事業、そして介護事業やバイオマス発電事業など、事業領域は拡大しており、特に海外での住宅事業の進捗には著しいものがあります。

今や、住友林業グループは、国内、海外において、人々の生活に関わるあらゆる事業を総合的に展開しているグローバルな企業グループとなりましたが、これらは常に時代のニーズを的確にとらえて、果敢に事業を拡大していった、多くの先輩達の足跡でもあります。

いつの時代も、事業環境は激しく変化し、国内外で、厳しい競争に晒されていますが、私たちにとって、大切なことは、常に挑戦者の心で時代を見つめ、人や社会の為になる新しい付加価値を創造し、それを事業へとつなげていく事です。

挑戦に年齢は関係ありません。現状に甘んじることなく、常に私たちは新たな道を切り開いていく事が必要なのです。

ここで、2018年度にニュースリリースいたしました2つのトピックスを紹介したいと思います。

1つ目は、木質バイオマス発電事業の推進です。当社は2011年2月に川崎バイオマス発電を稼働させて以来、2016年12月には紋別バイオマス発電、2017年4月には苫小牧バイオマス発電を稼働させてきました。

そして昨年4月には国内4番目の発電所として八戸バイオマス発電の運転を開始しました。

2021年6月には苅田バイオマス発電が稼働すると、当社の発電規模は合計で約177MWとなり、約378,000世帯分の電力を供給することになります。当社は木質バイオマス発電事業を推進することで木材資源の最大限の活用と、環境への貢献それに伴う地域経済の活性化を目指しています。

2つ目は、海外における住宅・不動産事業の拡大です。当社は2003年に米国シアトルにおいて戸建分譲住宅の事業を開始して以来、米国・豪州での住宅建築販売事業を着実に拡大し2018年 3月期の販売戸数は約9,200戸になりました。

アジアにおいてもインドネシアでの戸建分譲住宅事業やタイでの高級分譲マンション開発などを進めており、事業領域の拡大と事業の多角化により収益基盤を強化しています。

このように住友林業の事業は、様々な地域や分野で拡大を続けていますが、皆さんには、真のグローバル人財になって頂きたいと思います。

グローバル人財とは自分とは異なる多様な価値観を受け入れ、その上できちんと自分の意見を主張し、創造的に考え行動する人のことです。海外で活躍する人だけをグローバル人財と言うのではありません。

これから皆さんが踏み出す社会は自分とは違う価値観やものの考え方を持った方がたくさんおられます。そういう多様な考え方や社会の状況をしっかり理解する、そして自分の意見を持ち、話し合い、広い視点で物事を考える。

つまり、多様性の中から新しいもの、創造的なものを生み出していくことのできる力を持つことがグローバル人財の基本になるのです。皆さんにはどこで仕事をしても世界に通用する人財になっていただきたいと思います。

次に我々の事業の根底にあるものついてお話します。今から400年ほど前に住友家の家祖である住友政友が、文殊院旨意書(もんじゅいんしいがき)というものの中で、住友の事業精神の源流となる商いのあり方を説いています。

冒頭に“商売はいうまでもないが、何事も粗略にせず、全てのことに心をこめて励むように”と、商売人である前に誠実と努力を重んじ人格を磨くことを説いています。そして5か条からなるこの教えはその後、住友家法として成文化されていきますが、特に、“信用を重んじ、確実を旨とし、浮利に趨らず”という考え方や、“自利利他公私一如”と言って、“事業は自身を利すると共に天下国家社会を利するものでなければいけない”という住友の事業精神は現在に至るまで脈々と受け継がれています。

住友林業としても独自に経営理念や行動指針というものを定めていますが、「住友の事業精神」を経営の根源として明示しています。これらは我々の日常の業務や行動の羅針盤となるものです。折に触れて見返していただきたいと思います。

付面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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