注目の助成金(177)補助金で省エネ設備を導入しよう

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前回(3月26日付6面の連載第176回)紹介した、経済産業省の「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」および「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」のうち、後者の方は空調やLED等の指定の省エネ設備に対して最大1億円(下限30万円)を補助するもので、中小企業でも申請しやすい補助金となります。

今回は、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」についてより詳しく説明します。

本補助金のスケジュールについて、公募期間は3月27日~4月22日です。6月上旬頃に交付決定がなされ、2025年1月末までに補助対象事業を実施し、25年3月末までに補助金が振り込まれるスケジュール感となります。また、例年通りであれば秋ごろに2次公募がなされる想定です。

補助額は補助率1/3、最大1億円です。たとえば、3千万円の設備を導入した場合、1千万円の補助金が支給されます。また、補助下限額が30万円と低額のため、数十万単位の小規模な設備の導入にも使いやすい制度となっています。

さらに、本補助金は大企業でも申請できます。補助率・補助上限額ともに中小企業と同じです。ただし、「省エネ法の事業者クラス分け評価制度において『Sクラス』または『Aクラス』に該当すること」、「省エネ法の中長期計画書「ベンチマーク指標の見込み」に記載された30年度(目標年度)の見込みがベンチマーク目標値を達成すること」といった要件を満たす必要があります。

対象設備は、事務局に登録された設備のみ対象となり、(1)高効率空調、(2)産業ヒートポンプ、(3)業務用給湯器、(4)高性能ボイラ、(5)高効率コージェネレーション、(6)低炭素工業炉、(7)変圧器、(8)冷凍冷蔵設備、(9)産業用モータ、(10)制御機能付きLED照明器具、(11)工作機械、(12)プラスチック加工機械、(13)プレス機械、(14)印刷機械、(15)ダイカストマシン――から選定します。

本補助金の申請で注意すべき点は、導入予定の設備について3者以上の見積を取得しなければならない点です。設備の価格が適正かどうかを判断するための要件です。見積は原則価格が最も安いものが採用されます。「販売代理店3社」、「メーカー及び販売代理店2社」といった形の見積取得も可能です。また、設備によっては、特定のメーカーまたは機種を指定しての見積取得も認められています。

なお、設備の適正価格を判断する都合上、どの見積も経費の項目を統一するよう注意する必要があります。

また、本補助金の申請で最も手間がかかるのは、対象設備を導入することによって省かれるエネルギー量の計算です。電子申請を行う補助事業ポータルサイト上で自動計算ができますが、それでも導入予定設備の稼働時間等の情報を入力する必要があります。また、メーカーに製品情報証明書の発行を依頼して入手する必要もあります。

本補助金の対象経費は原則設備本体のみとなります。設計費・運搬費・工事費等の諸経費は対象外となります。諸経費も含めて見積を取得する場合は、本体とそれ以外を区分しておく必要があります。

本補助金の申請には注意点や厳しい要件がありますが、そこさえクリアできれば、1億円の補助金を受給できる可能性がグッと高まります。また、補助下限額が低く、小型の設備でも対象となるため、自社の省エネを予定している方は申請を検討してみることをおすすめします。

2024年04月02日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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