日銀が4日公表した4月の支店長会議の資料「地域経済報告(さくらレポート)」によると、住宅投資は弱めの動きが目立つようだ。多くの地域で、景気全体が下向きとなった中、コスト増などを背景とした住宅価格の上昇が重しとなっている。ただし、貸家や分譲マンションについては、手応えを示す事業者もあったようだ。
「資材高や人件費上昇に伴う建築費の高騰から住宅取得を諦める顧客が増えており、住宅需要は弱含んでいる」(前橋支店)、「資材価格や人件費の上昇を背景に住宅価格を引き上げているもとで、受注は弱い動きが続いており、当面、住宅取得ニーズが改善することは期待できない」(松山支店)――など、価格上昇を背景としたニーズが萎縮している状態が、各支店から報告された。
特に、価格上昇は持ち家に影響した。「資材価格の高騰に伴う住宅価格の上昇や、物価高による消費者の購入マインドの低下を背景に、注文住宅の新規受注は引き続き低迷している」(青森支店)、「資材価格の上昇がひと頃と比べて一服する中でも、既往の労務費や物流費の上昇分の転嫁を受けた販売価格の引き上げが嫌気されていることから、持ち家の受注は前年割れが続いている」(名古屋支店)、「持ち家の受注は、コロナ禍での生活様式の変化を受けた需要増加の反動や、資材高騰による住宅価格上昇の影響から、足もと逆風が強まっている」(大阪支店)。