
1日、国土交通省による新たな「住生活基本計画(全国計画)」(以下、住生活基本計画)の運用が始まった。新たな住生活基本計画は2021年度に運用を始めた住生活基本計画の改定版で、従来版と比べた際に同省として特に重視している新たな方針・要素は「既存住宅の市場環境の整備に、一層、注力していくこと」(金子恭之国交大臣)。背景には、従来版の運用においても対応していた人口の減少と高齢者・単身世帯の増加という避けられない大きな潮流への施策対応をさらに本格化させないと、数十年先の社会が求める住環境のあり方と現実の間に大きなギャップが生じかねないという、同省としての認識があるとみられる。
住生活基本計画は住生活基本法に基づき策定する、計画期間10年の住宅政策における基本的な方向性・方針を定めたもの。計画策定後に生じた社会の変化で計画の当初内容がその後の社会の実相と大きく乖離してしまうことを避ける目的で約5年に一度、一定の検討期間を経て内容を見直し改定している。
今回の改定では2050年に想定される社会の姿からのバックキャストで、対応すべき優先度が高いと判断した対象の領域と取り組み方針、施策の骨子を順に「視点」として3、「主な取り組み方策」として4、「目標」として11を設定。今後これらの内容に沿った施策を順次展開する。計画の事業期間は26年度から35年度までとなる。
「視点」「主な取り組み方策」「目標」の根底にはいずれも、人口の減少と高齢者・単身者の増加という既に顕在化しており今後さらにその度合いが増す社会課題への対応を念頭に、〝既存住宅市場の活性化〟を置いた。
この点について国土交通省は住生活基本計画が閣議決定された3月27日、担当者が記者向けのレクチャーを行った。
レクチャーでは今後の新たな住宅施策に反映させる、もしくは、既存住宅施策強化の際に重視する方針として計画「案」の段階から開示し閣議決定で正式に決定した4つの主な取り組み方針、(1)ニーズに応じた住宅を適時適切に確保できる循環型市場の形成(2)インフラ・居住環境の整った既存の住宅・住宅地の市場を通じた本格的な有効活用(3)分野横断的な連携による「気づき」と「つなぎ」のある居住支援の充実(4)既存住宅を最大限に活用する持続的な住宅市場を支えるあらゆる主体の連携・協働の推進――について、当該方針採用の背景と施策に反映させる際のポイントを説明した。







