コスト上昇を背景に住宅設備・建材メーカーの値上げが止まらない。昨年12月に今年4月の値上げを発表したYKKAP(東京都千代田区、魚津彰社長)に続き、このほど大建工業(大阪市北区、億田正則社長)とニチハ(愛知県名古屋市、吉岡成充社長)が新たな値上げ施策を表明した。
大建工業の今回の値上げは海外で生産するMDFのメーカー仕切り価格とカタログ掲載品が対象で、このうちカタログ掲載品の値上げは2022年4月実施分から数えて今回で3回目となり、カタログ掲載品全体平均として22年3月比で価格が約20%上昇することになる。
両社を含む住宅設備・建材メーカー各社のコスト環境の今後をみると、輸入関連品のコストを押し上げる円安進行は日銀の利上げである程度は歯止めがかかったとみられるが、〝適温〟となる円高に向かうか否かは金融アナリストの間でも見解が分かれる。
また、各種コストのうち人件費と物流費は賃上げを主因としてさらに上昇する可能性が高い。住設建材メーカーから資材を調達する住宅事業者にとっては昨年と同様、調達コストの高止まり、もしくは、さらなる上昇を前提とした事業戦略の構築が求められる。