国土交通省の社会資本整備審議会は4月18日、建築分科会、建築基準制度部会、建築環境部会の合同会議を開催し、今後の建築基準制度や住宅・建築物の省エネルギー対策のあり方について、議論を開始した。
多様化・複雑化した社会的要請に、建築分野として中長期的な対応を検討する。
経済社会情勢の変化としては主に、人口減少・少子高齢化、2050年カーボンニュートラル、既存建築ストックの充足、工事費・人件費の高騰――などが挙げられた。
既存建築ストックの有効活用、質の向上、持続可能な市街地の実現、木材利用の促進、新材料・新技術の導入促進――といった課題と組み合わせて捉え、官民連携で取り組んでいく方針。「10年程度の将来を見据えた中長期的なビジョンが必要ではないか」と、事務局の国土交通省側が提案した。
既存建築ストックの有効活用としては循環型経済を示す「サーキュラーエコノミー」への移行のほか、空き家の用途変更の合理化の検討を視野に入れる。新材料・新技術の導入促進では標準化されていない建材の利用に対する考え方について、持続可能な市街地実現では用途規制や狭あい道路対策の考え方について、意見を交わす。
また、省エネの考え方だけでなく、建築物のライフサイクルカーボン算定・評価も議論するテーマの1つとする。国交省が事務局となり、専門の検討会で6月から議論を行う方針を紹介した。