新築住宅需要が低迷を続けている。直接要因は物件価格の上昇と思われるが、背後には円安による資材価格の上昇と人手不足に起因する物流費・労務費の増加という、構造的な間接要因もある。

このうち後者のコストは今後もじりじりと上昇し続ける可能性が高く、さらに長期金利と政策金利の上昇基調という重しが、購買マインドにのしかかる。新築住宅の価格の傾向は、住宅ローン商品の利用動向と表裏一体だ。その動向をみるとターニングポイントとなった2025年以降、物件価格や金利の上昇を受け、ローンの利用形態が大きく変化している実態が浮き彫りになる。住宅ローン市場で今、何が起きているのか。

全期間固定金利型ローン「フラット35」の扱いをメインとするSBIアルヒ(東京都千代田区、伊久間努社長)経営企画部広報担当の小栗由衣氏に話を聞いた。

――住宅金融支援機構が3月に公表した「2025年度住宅ローン貸出動向調査結果」で明らかにされましたが、調査対象とした金融機関の住宅ローンの全扱い件数として、25年度は「変動型」「固定期間選択型」「全期間固定型」の全金利タイプで返済期間50年が最多となりました。利用返済期間はかつては35年が一般的でしたが、24年度は40年が最多、25年度は50年が最多と、長期化の様相を呈しています。住宅ローン市場で今、何が起きているのでしょうか。
小栗 東京23区の新築分譲マンションを代表格とする主に大都市部における住宅価格の上昇、それに伴う借入金額の上昇、ローン金利の上昇が、その背景にあると思います。東京23区の分譲マンション価格は新築・既存とも今や〝億ション〟が珍しくありません。住宅ローンの借入金額は返済期間を延ばせば、月々のローン支払額を短い返済期間と比べて抑えることができます。

また、こうした高額物件への対応によるものとみられる、住宅ローン商品の利用傾向に変化が起きています。
弊社は「フラット35」のペアローンの扱いを住宅金融支援機構が導入した24年10月に始めました。翌年の25年8月までの同ペアローンの申し込み案件調べたところ、25年6~8月期の月間平均申込件数は24年10~12月期の2・1倍と大幅に増えていました。

また、その内容は、申し込み案件全体の2割が世帯年収2千万円以上、約6割が20・30歳代、物件の平均価格はペアローンを利用しない申し込み案件の2・3倍となる約9千万円、約3割が1億円以上の物件購入を予定、1億円以上の購入予定者の約7割が都内での物件購入を予定――というものでした。