国土交通省の「こどもみらい住宅支援事業」の概要が公表されました。同事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯が省エネ住宅を購入または省エネリフォームした場合の費用を補助する補助金です。従来の重要施策である子育て支援と近年重要視されている脱炭素化を組み合わせた事業であり、予算は542億円とのことです。今回はこの「こどもみらい住宅支援事業」について解説します。
子育て世帯・若者夫婦世帯の定義ですが、子育て世帯は「2021年4月1日時点で18歳未満の子を有する世帯」、若者夫婦世帯は「21年4月1日時点でいずれかが39歳以下の世帯」となります。
対象となる住宅はあくまで注文住宅の新築または新築分譲住宅の購入で、賃貸住宅は対象外です。売買契約額は税込み100万円以上で、21年11月26日から22年10月31日までに売買契約をした住宅が対象であるという条件もあります。
注文住宅の新築または新築分譲住宅の購入をした場合の補助上限額はその住宅の省エネ性能によって変わります。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、ゼッチ)、またはニアリーZEH、ZEHレディ、ZEHオリエンテッドに該当する場合、100万円までとなります。高い省エネ性能等を持つ住宅(認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅のいずれか)は80万円、一定の省エネ性能を持つ住宅(断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4)は60万円までとなります。
また、住宅をリフォームする場合、対象は「所有者」が発注して実施する工事であり、賃貸住宅に住んでいる場合は対象外となります。なお、賃貸住宅でも賃貸住宅を保有する法人や管理組合等であれば対象となります。
リフォームの補助上限額は子育て世帯・若者夫婦世帯に該当するか否かで変わります。子育て世帯・若者夫婦世帯の場合、住宅を購入してリフォームを行う場合は60万円、居住する住宅をリフォームする場合は45万円となります。それ以外の世帯は安心R住宅(国が定めた要件に適合する旨が表示された住宅)を購入してリフォームを行う場合は45万円、それ以外のリフォームを行う場合は30万円となります。
なお、上記上限額は住宅の各箇所のリフォーム工事費用に係る補助額を合計した金額の限度額となります。その工事に係る補助額が5万円未満の場合は申請ができません。対象工事は全部で8つ((1)開口部の断熱改修(2)外壁、屋根・天井又は床の断熱改修(3)エコ住宅設備の設置(4)子育て対応改修(5)耐震改修(6)バリアフリー改修(7)空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置(8)リフォーム瑕疵保険等への加入)あり、その内(1)~(3)のいずれかを実施することが必須条件となります。
8つの対象工事はさらに細かく分類され、それぞれに上限額が定められています。たとえば「(1)開口部の断熱改修」ではガラス交換8千円、ドア交換3万2千円、「(3)エコ住宅設備の設置」では太陽熱利用システム2万4千円、「(4)子育て対応改修」では宅配ボックス1万円、「(6)バリアフリー改修」では手すりの設置5千円、「(8)リフォーム瑕疵保険等への加入」では1契約あたり7千円となります。
申請方法ですが、申請するのは対象住宅の居住者ではなく、工事施工業者や販売事業者、リフォーム業者となります。住宅に居住する発注者の委託を受けて業者が事務局に申請する形となります。審査が通過されると補助金が業者に交付されて、その補助金が発注者に還元されます。業者は事前に事務局で事業者登録をしておく必要があります。
交付申請期間は22年3月頃から10月31日となる予定です。なお、工事着工後の補助金の予約申請も可能であり、その期間は22年3月頃から9月30日までとなる予定です。予約申請してから3ヵ月以内に交付申請がなければその予約が取り消されます。
住宅の完成・引き渡しが完了した後、戸建住宅は23年3月31日、10階以下の共同住宅等は24年2月15日、11階以上の共同住宅等は24年12月31日までに完了報告を提出する必要があります。
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株式会社ナビット(https://www.navit-j.com/)
東京都千代田区。「地下鉄乗り換え便利マップ」などを展開するコンテンツプロバイダー。地域特派員5万8100人の全国の主婦ネットワークにより、地域密着型の情報収集を得意とする。
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