中小企業庁は1月30日、「中小企業省力化投資補助金(一般型)」の公募を開始しました。3日現在では、まだ具体的なスケジュールは公表されていませんが、3月中旬に申請受付を開始し、3月下旬に申請締切とのことです。
補助上限額は従業員数によって異なります。従業員数5人以下が700万円(1千万円)、6~20人が1500万円(2千万円)、21~50人が3千万円(4千万円)、51~100人以上が5千万円(6500万円)、101人以上が8千万円(1億円)となります(カッコ内は大幅な賃上げを行う場合)。
補助率は企業の規模と補助額によって異なります。補助額1500万円までであれば、中小企業が1/2(2/3)、小規模事業者が2/3です(カッコ内は最低賃金引き上げを行う場合)。1500万円を超える部分については、中小企業・小規模事業者ともに補助率は1/3となります。
補助対象経費は、機械装置・システム構築費、運搬費、外注費、クラウドサービス利用費などが該当します。「事業再構築補助金」とは異なり、建物費や広告宣伝費は対象外となります。また、単価税抜50万円以上の機械装置等を取得することが必須要件となります。
補助対象事業は「生産・業務プロセスやサービス提供方法の省力化」です。設備投資による業務量の削減や労働生産性の向上が求められます。対象となる設備はオーダーメイドの設備になります。事業計画では、このオーダーメイド設備の導入による「省力化指数」を算出する必要があります。「省力化指数」は設備導入により削減される時間をもとに算出し、指数が高い取組ほど評価されます。また、他にも投資回収期間の短さや付加価値額の成長率の大きさも見られます。
加点項目として、一定の賃上げ、防災に係る事業計画である「事業継続力強化計画」、女性活躍に係る「えるぼし認定」、育児休業に係る「くるみん認定」の他に、事業承継・M&Aの実施、「成長加速マッチングサービス」の会員登録もあります。賃上げや事業承継以外の項目は比較的達成可能なものであるため、申請前までに押さえておくことをおすすめします。
審査は書面審査の他にオンラインによる口頭審査もあります。口頭審査に参加できるのは申請者(代表、役員、担当従業員など)1名のみとなり、コンサルタントの参加は認められません。そのため、コンサルタントに丸投げせず、申請者自身も事業を完全に把握しておくことが必要です。
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上記のように、中小企業省力化投資補助金(一般型)は補助額が大きい分、申請の難易度も高いです。一方、「中小企業省力化投資補助金(カタログ受注型)」は一般型より比較的容易です。カタログから指定の汎用設備を選定するタイプの補助金であり、数ページ分もの詳細な事業計画を用意する必要はありません。また、汎用製品の販売事業者による申請支援もあります。補助額は最大1500万円と一般型より低いですが、大規模な設備投資の予定がないのであれば、カタログ受注型の申請をおすすめします。
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