不正受給 ダメ、絶対(2)補助金は適正化法違反に注意
補助金に関するルールを定めた法律として、「補助金適正化法(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律)」があります。補助金適正化法に違反した場合、「補助金を不正に受給しようとした」とみなされます。主に、「補助対象期間以外で発注し、発注日を改ざん」「補助対象物品について、実際より高い金額で領収書を切ってもらい、より多く補助金をせしめようとする」などがあります。
補助金の不正受給が発覚した場合、以下のような罰を受ける可能性が高いです。
第一に、受け取る予定または受け取った補助金を全額返還しなければなりません。補助金をすべて返還するまでは、返還していない金額の10・95%(年間)が加算され続けます。そのため、補助金の不正受給が発覚したら、すぐにでも全額返還した方がいいでしょう。
第二に、経済産業省のホームページに「補助金交付等停止措置企業」として事業者名が公表されます。つまり、その事業者名で検索すると、経済産業省のホームページがヒットし、何をやらかしたのか、大勢の人に知られてしまうということです。当然、その事業者の社会的信用は失墜し、そのまま倒産してしまう恐れもあります。そして、助成金と同じく、詐欺罪で告訴される場合があります。
助成金・補助金は、あくまで職場を改善したり、事業を発展させたりするために使うものです。資金繰りや収入増を目的に申請してはいけません。
助成金・補助金の不正受給によって得られる利益と、受け取った金額以上を返還したり、自治体や官庁のホームページに掲載されたり、詐欺罪で刑務所に収容されたりするリスクが釣り合わないのは、誰の目から見ても明らかです。正しい法律・正しいルールに則って、助成金・補助金を申請・受給することを心がけましょう。
記事をシェアする
こんな記事も読まれています
この記事のキーワード
最近の連載
- 注目の助成金(227)補助金申請時の勘所、事業計画の「読み手」を意識しよう
- 注目の助成金(226)補助金申請時の勘所、事業計画策定時に役立つ4P分析
- 注目の助成金(225)補助金申請時の勘所、自社の「コアコンピタンス」を見つけよう
- 注目の助成金(224)補助金申請時の勘所、事業の方向性の見つけ方
- 注目の助成金(223)補助金申請時の勘所、事業計画策定時の市場分析のコツ
- 注目の助成金(222)高市新政権発足で補助金はどうかわる?
- 注目の助成金(221)補助金申請時の勘所、競合分析のコツと留意点
- 注目の助成金(220)補助金申請時の勘所、財務諸表で自社の課題を把握
- 注目の助成金(219)補助金申請時の勘所、第三者でも理解できる計画に
- 注目の助成金(218)補助金申請時の勘所、波及効果・継続性を盛り込もう








