注目の助成金(197)今後の補助金はどうなる?

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2024年11月29日、国の令和6年度補正予算案が閣議決定されました。今月にも成立し、25年1~2月頃に対象者や補助額などの詳しい要件が公表され、3~4月頃に公募開始される予定です。

この補正予算案には住宅に係る補助金への言及もあります。今後どのような補助金が公募されるのでしょうか。今回は補正予算案から住宅関係の補助金の概要を紹介します。

◇ ◇

住宅関係の補助金は、経済産業省・国土交通省・環境省の3省が連携して実施します。高効率給湯器の設置、エコジョーズ(省エネ性の高い給湯器)・エコフィール(排気熱を再利用する石油給湯器)の取替、高断熱窓の設置、開口部・躯体などの省エネ改修についてワンストップで申請可能にするとのことです。

高効率給湯器の設置(令和6年度補正予算案580億円)については、機器や性能に応じて定額を補助します。また、給湯器の導入と同時に、寒冷地で高額な電気代がかかる蓄熱暖房機、電気温水器を撤去する場合、上乗せ補助されます。補助金の申請自体は、消費者に補助額が還元されることを条件に、事業者が行います。

エコジョーズ・エコフィールの取替(令和6年度補正予算案50億円)では、既存賃貸集合住宅を対象にして、機能ごとに定額を補助します。追い炊き機能がなければ1台5万円、追い炊き機能があれば1台7万円が補助されます。また、工事内容によっては追加の補助が受けられるとのことです。この補助金も申請するのは事業者となり、賃貸オーナーに補助額が還元されるかたちとなります。

高断熱窓の改修(令和6年度補正予算案1350億円)では、「熱貫流率Uw1・9以下」などの条件を満たした高断熱窓の改修に対して、1戸最大200万円(補助率1/2)を補助します。この補助金も申請は事業者が行います。

開口部・躯体などの省エネ改修(令和6年度補正予算案400億円の内数)では、工事内容に応じて定額が補助されます。「開口部の断熱改修」、「躯体の断熱改修」、「エコ住宅設備の設置」の全てを実施した場合1戸最大60万円、上記3種のうち2種を実施した場合1戸最大40万円が補助されます。さらに、子育て対応改修、バリアフリー改修、換気機能付きエアコンの設置工事などを実施した場合も補助を受けられます。この補助金も申請は事業者が行います。

省エネ住宅取得で最大160万円の補助

また、国土交通省・環境省において、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の水準を大きく上回る省エネ性能を持つ「GX志向型住宅」の新築、子育て世帯・若者夫婦世帯向けの省エネ住宅(長期優良住宅、ZEH水準住宅)の新築費用を補助するとのことです(令和5年度補正予算案1850億円)。この補助金も申請は事業者が行います。

「GX志向型住宅」は「断熱等性能等級6級以上」、「1次エネルギー消費量の削減率35%以上」などの高い省エネ要件を満たす住宅であり、1戸160万円が補助されます。長期優良住宅は建替前の住宅の除却を行う場合1戸100万円、そうでなければ80万円が補助されます。ZEH水準住宅であれば、建替前の住宅の除却を行う場合1戸60万円、そうでない場合40万円が補助されます。
「2050年カーボンニュートラルの実現」という目標のもとに、国は引き続き省エネ住宅関連の施策を強化していく見込みです。住宅の新築・改修を検討している方はこれら補助金を積極的に活用することをおすすめします。

2024年12月17日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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