令和5年度補正予算が成立し、それに基づき各省庁でさまざまな補助金が公募開始されます。その中でも国土交通省では住宅に係る補助金を2024年から新たに公募していく予定です。そこで今回は2024年の住宅系の補助金について紹介していきます。
第一に「子育てエコホーム支援事業」について紹介します。こちらは以前実施していた「こどもエコすまい支援事業」や「こどもみらい住宅支援事業」と同じく、子育て世帯や若者世帯を対象として、省エネ住宅の新築や住宅の省エネ改修の費用を補助する制度です。子育て世帯は「18歳未満の子を有する世帯」、若者世帯は「夫婦いずれかが39歳以下の世帯」と言う条件があります。
省エネ住宅の新築の場合、住宅面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であり、かつ「長期優良住宅」か「ZEH住宅」のいずれかである必要があります。
長期優良住宅の場合は1戸につき100万円、ZEH住宅の場合は1戸につき80万円が補助されます。なお、市街化調整区域にあり、かつ土砂災害または浸水想定区域に立地している住宅については、補助額は半額となります。
住宅の省エネ改修の場合、子育て世帯・若者世帯以外の世帯も申請できます。また、住宅の省エネ改修だけでなく、子育て対応改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置工事等も対象となります。
補助額は子育て・若者世帯かそれ以外かで分かれます。子育て・若者世帯の場合は1戸につき30万円、それ以外の世帯は1戸につき20万円が補助されます。なお、子育て・若者世帯が既存住宅を購入して省エネ改修する場合は60万円にアップします。また、長期優良リフォームを行う場合は、子育て・若者世帯は45万円、それ以外は30万円にアップします。
補助金の申請を行うのは住宅事業者です。事業者登録を行った上で、交付申請を行います。事業者登録開始前に工事の着手をしたり、交付申請時点で工事が完了しなかったりしてもよいとのことです。なお、交付申請は補助額以上の出来高があることが要件となっています。また、工事は遅くとも2027年2月末までに完了する必要があるとのことです。
第二に「先進的窓リノベ2024事業」について紹介します。こちらは断熱性能がある窓への改修にかかる費用を補助する制度です。対象となる断熱窓は、U値(熱還流率)1・9以下等の条件を満たす必要があります。また、対象となるリフォーム工事は内窓設置、外窓交換、ガラス交換となります。ドアの断熱改修についても、窓の改修と同一契約内で、かつ開口部に取り付けられているものであれば、対象経費となるとのことです。
補助額については工事内容や窓の大きさ等に応じて定額補助されます。たとえば、2・8平方メートル以上の大きさの窓についてSSグレードの断熱改修を行う場合、内装設置は11万2千円、外装交換は22万円が補助されます。複数の断熱改修について申請することもできますが、受給できる上限額は200万円までとなります。
申請は事業者が行います。事業者登録前の工事着手も対象となりますが、交付申請時点で工事が完了している必要があります。
第三に「給湯省エネ2024事業」について紹介します。こちらは高効率給湯器の導入費用を補助します。対象となる給湯器と補助額は、ヒートポンプ給湯器(8万円/台)、ハイブリッド給湯器(10万円/台)、家庭用燃料電池(18万円/台)となります。なお、「インターネットに接続可能で、翌日の天気予報に連動する」、「補助要件下限の機種と比べてCO2排出量が一定以上少ない」等の要件を満たした場合、補助額がアップします。さらに、高効率給湯器の導入と併せて、蓄熱暖房機または電気温水器の撤去を行う場合、蓄熱暖房機について10万円/台、電気温水器について5万円/台が加算されます。
補助金の支給方法については、2023年は購入者に直接振り込む形式を取っていましたが、2024年は「先進窓リノベ事業」と同じく、補助金を支給された事業者がその分を購入者に還元する形式を取るとのことです。
