
(2)年次有給休暇取得の一部義務化は、事業者が指定した時季に、労働者が毎年5日の有給を取得することが義務となりました。また、時季指定の際も、事業者は労働者の意見を尊重する必要があります。
従来の労働基準法では年休の取得日数について事業者に義務がありませんでした。しかし、現在の日本の有給取得率は世界的にみても最低クラスにあることから、労働者が有給を積極的に取り、心身をリフレッシュさせるのも働き方改革の1つだとみなされ、労働基準法に明記されることになりました。
なお、既に労働者が年次有給休暇を5日以上取得している場合は時季を指定する必要はありません。また、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存する義務もあります。
(3)フレックスタイム制の清算期間延長では、フレックスタイム制の清算期間が3ヵ月に延長されました。
フレックスタイム制とは、所定の総労働時間に達しさえすれば、労働者が始業及び終業時間を決められる制度です。従来は、清算期間は1ヵ月までとされていましたが、改正労働基準法では3ヵ月まで延長できるようになり、より柔軟なスケジュールを組めるようになりました。
なお、各月で週平均50時間を超えた場合、その時点で割増賃金の清算を行います。また、時間外労働が2~6ヵ月平均全て80時間以内、月100時間未満という規制も順守しなくてはなりません。
(4)高度プロフェッショナル制度の創設は、高度なスキルや専門知識を有する労働者が労働時間ではなく成果で評価される制度として、高度プロフェッショナル制度が誕生しました。職種としては、研究開発や金融商品のディーリング、アナリスト、コンサルタントなどが想定されています。
労働基準法の改正は、日本全国で働き方改革が推進される大きなきっかけとなりました。今後、官庁や自治体はますます積極的に働き方改革の施策を取っていくことでしょう。現在、多くの官庁や自治体で働き方改革関連の助成金・補助金が公募されています。働き方改革に取り組もうと考えている人は、定期的に厚生労働省や自治体の助成金をチェックしておきましょう。
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株式会社ナビット(https://www.navit-j.com/)
東京都千代田区。「地下鉄乗り換え便利マップ」などを展開するコンテンツプロバイダー。地域特派員5万8100人の全国の主婦ネットワークにより、地域密着型の情報収集を得意とする。
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