トヨタホーム(名古屋市東区、後藤裕司社長)は、富裕層向け戸建住宅商品を刷新する。
高級感を演出する全面タイル張りや建物の水平ラインを強調する水平連続庇と屋根一体型樋、建物表面に変化を持たせるセットバックサッシなど、シンプルな美しさを追求するとともに、環境性能も引き上げた。11月15日に発売する新商品「シンセ・コード」の開発にあたって、コンセプトモデルのデザイン要素をルール化して外観デザインの再現性を担保。旗艦商品の投入でトヨタホームの戸建住宅全体のデザイン性を底上げする。
新商品「シンセ・コード」は、同社が主力商品に位置付ける鉄骨ラーメンユニット工法の最上位モデルの位置付け。これまでの最上位モデル「フィーラス」の後継モデルとなり、フィーラスは新規受注を停止する。
新商品には、同社初となるデザインや仕様を多数盛り込んだ。新要素で環境性能とデザイン性を向上させた。
断熱等級6に標準対応
環境性能では、これまで標準としていたZEH相当の断熱性能(断熱等級5)を上回る断熱等級6に標準対応する。壁厚を62・5ミリ拡大させて充填する断熱材の厚みを増やしたり、基礎断熱の仕様強化などによってUA値0・46を確保する。
このほか、防眩仕様の太陽光発電パネルを採用することで、周辺環境への配慮で設置しにくかった北側屋根にも太陽光発電パネルが設置可能となった。これにより大容量の再生可能エネルギーが得られ、LCCM住宅にも対応できるとした。
再エネを含むエネルギー管理の面では、太陽電池、蓄電池、電気自動車の内蔵電池の3電池を効率よくコントロールする「トライブリッド蓄電システム」により、平常時は光熱費を削減し、万が一の停電発生時は非常用電源として活用する。
環境+デザイン訴求
新商品は、環境性能とともにデザイン性も追求している。工業化住宅としてサステナブルデザインを体系化(コード化)。デザインを構成する素材や色・柄、配置などを要素にわけて独自の方程式で組み合わせることで、「フラッグシップのデザインを実売モデルでも導入できる再現性を担保」(同社)している。敷地条件や道路付け、建物規模など、さまざまな条件下でも水平ラインを強調した重厚感のあるスクエアフォルムを実現できるとした。
さらに、他商品への展開も可能という。コンセプトモデルで気に入ったデザインや要素があれば、他の住宅商品にも採用することができる。例えば、新商品で初めて実用化した建物外観の陰影を強調するインセットサッシ仕様は、断熱等級6に対応するための壁厚を増すことで実現している。同仕様を他モデルで採用する場合は、壁をふかすことで導入できる。
新商品の参考価格は3・3平方メートルあたり100万円からとした。販売目標は初年度100棟。メーンターゲットは40~50代。デザイン性を高めてライフスタイルにこだわりを持つ富裕層の受注拡大につなげたい考えだ。