住宅生産団体連合会(東京都千代田区、仲井嘉浩会長)が取りまとめた「新しい住宅金融・税制の在り方に関する提言」では、長期優良住宅などの良質な住宅ストックの価値が適正に評価される住宅市場の整備を求めた。
適切に維持管理された住宅の価値を金融機関に適正に評価してもらうことで、その価値を生かした住宅ローンの開発ができるのではないか――。
平松幹朗住団連専務理事と日本建築センターの杉浦美奈業務企画部担当部長に話を聞いた。
住団連の会員企業が供給する戸建住宅の9割超が長期優良住宅となっており、良質な住宅ストックは着実に蓄積されている。良質な住宅ストックを住み継ぐための仕組みとして、優良ストック住宅推進協議会(スムストック)の査定・流通の取り組みが整備された。
さらに、適切な維持管理の有無に着目し、良質な住宅ストックの資産としての価値を示した移住・住みかえ支援機構の取り組みなども広がりつつある。
「良質な住宅ストックについて、金融機関側から適正な評価をしてもらいたいという要望は住宅業界がずっと持っていた」と杉浦さん。一方、「金融側からみると新築時は性能評価などで品質が担保されているが、ストックはその品質が維持されているか、『時間軸』を含めてしっかり担保していく仕組みが必要」と、住宅業界の課題について平松専務が補足する。