注目の助成金(37)人材開発を支援する人気の助成金

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近年は雇用の流動化が激化し、転職者の数も急増しています。そのため日本企業の多くは、社内でじっくり人材育成するより即戦力となる転職者を採用する傾向が強くなっています。

しかし、どの企業も即戦力ばかり求めて人材育成をしなければ、労働者の能力はいつまでも向上しません。そして、国内全体の生産性の低下につながることにもなりかねません。

そのため厚生労働省では、労働者の能力を向上させて経済の活性化を図ることを目的に、企業の人材育成を支援する人材開発支援助成金を設けています。こちらは労働者の職業訓練や能力開発に要する費用を助成するものです。

要件さえ満たせば企業規模を問わず申請することができます。特に、資金やノウハウ不足により人材育成に消極的な中小企業にとっては大きな効果を発揮します。また労働者にとっても、専門的な技能や知識を学習することでキャリアアップが可能になります。対象となる訓練は、部外講師による訓練、指定の資格を持った部内講師による訓練、大学、指定の技能検定・職業能力検定、キャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングなどがあります。また令和元年度から、eラーニングを含む通信制の訓練も対象になりました。

対象経費は部外の講師への謝金、施設の借上費、必要な教科書の購入・作成費、職業学校の受講料、海外の大学の住居費などがあります。また対象労働者に支払う賃金の一部についても助成されます。

人材開発支援助成金は、(1)特定訓練コース(2)一般訓練コース(3)教育訓練休暇付与コース(4)特別育成訓練コース(5)建設労働者認定訓練コース(6)建設労働者技能実習コース(7)障害者職業能力開発コース――の7つのコースがあります。ここでは特に人気のある(1)~(4)のコースについて解説します。

(1)特定訓練コース

生産性向上のための専門的な訓練、OJTとOff-JTを組み合わせた研修など10時間以上の訓練を支援します。中小企業か否か、OJTかOff-JTかによって助成額が変わります。

(2)一般訓練コース

特定訓練コース以外の訓練を20時間以上行った場合、助成されます。こちらはOff-JTの訓練のみが対象になります。この(1)特定訓練コース(2)一般訓練コースを合わせた助成上限額は1千万円となります。ただし(2)一般訓練コースだけ実施した場合は上限500万円となります。

(3)教育訓練休暇付与コース

有給の教育訓練休暇を制度導入して、従業員が実際に有給休暇を取得して教育訓練を受けた場合、事業主に対して30万円(生産性要件を満たせば36万円)の定額が助成されます。この教育訓練休暇制度については、「(1)非正規を含んだすべての労働者が取得できる」「(2)事業主以外が行う訓練を受ける」「(3)労働者が命令ではなく自発的に受講する」などの要件があります。

(4)特別育成訓練コース

有期契約労働者が正規雇用労働者に転換するため、もしくは待遇を改善するために訓練を受けた場合に助成されます。なお、訓練で何を達成すれば正社員へのキャリアアップや待遇の改善がなされるのかについて、対象労働者に事前説明する必要があります。受講した訓練や企業規模、訓練時間などで助成額は異なり、賃金に対する助成は1時間当たり475~960円、経費に対する助成は7~50万円が支給されます。

人材育成には多額の費用と時間を要するため、人材育成を行う人材すら不足している中小企業ではその余裕は持ちにくいかもしれません。しかし人材育成の体制を整えなければ、結局生産性が低下してしまいます。

困難な経営状況も乗り越えられる優秀な人材を育成するため、人材開発支援助成金などの研修系助成金を活用して、従業員のスキルアップ・キャリアアップに取り組みましょう。

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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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