注目の助成金(32)「経営力向上計画」を作ろう
全文公開中
2019年09月19日 |

申請の流れを確認しよう
経営力向上計画の申請の流れは以下となります。
(1)どの優遇措置を受けたいか決めておく
経営力向上計画を所管大臣に認定されると、以下3つの優遇を受けられます。すなわち、(1)税制措置(法人税や固定資産税などの一部が控除)(2)金融支援(政策金融機関の低利融資)(3)法的支援(業法上の許認可の承継などの特例が適用)です。この3つの優遇措置はそれぞれ対象事業者の要件や申請方法が異なっているので、申請前に各優遇装置の要件や手続きを確認しなければなりません。
(2)自社の事業分野を確認する
自社の正確な事業分野に関しては、「e-Stat」という政府統計データのサイトで検索することで確認できます。その後、中小企業庁のHPにある事業分野別指針を確認し、自社の事業分野がどのような経営力向上を求められているのか把握します。
(3)申請書を作成する
事業分野別指針を参考にして申請書を作成します。申請書は中小企業庁のHPからダウンロードできます。申請書は全部で3枚あり、(1)企業の概要(2)現状認識(3)経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程度を示す指標(4)経営力向上の内容(5)事業承継等の時期及び内容(事業承継する場合に限る)――の5つの項目について説明しなければなりません。
しかし、自社だけで申請書を作成するのはとても難しいかと思います。そのために用意されているのが経営革新等支援機関です。中小企業などによる経営力向上計画の策定をサポートするため、公式に認定された機関です。また、経済産業省のHPにあるローカルベンチマークという経営診断ツールを利用することも推奨されています。
(4)経営力向上計画の申請・認定・開始
自社事業の事業分野を主管する主務大臣に計画申請書を提出します。提出先は各地域の官庁の支局(厚生局・運輸局など)です。申請から認定まで30~45日かかり、認定されると計画認定書と計画申請書の写しが交付されます。そして、支援を受けながら経営力向上のための取組を実行できます。
経営力向上計画を申請できるのは主に中小企業や個人事業主、特定非営利活動法人などです。申請できる企業の範囲は幅広いため、まだ申請していない事業者はこの経営力向上計画を検討することをおすすめします。
-
株式会社ナビット(https://www.navit-j.com/)
東京都千代田区。「地下鉄乗り換え便利マップ」などを展開するコンテンツプロバイダー。地域特派員5万8100人の全国の主婦ネットワークにより、地域密着型の情報収集を得意とする。
-
最新の情報は、助成金・補助金の検索サービス「助成金なう」へ
ページ: 1 2
記事をシェアする
住宅産業新聞社からのお知らせ:弊社著作物の使用に関するお願い
こんな記事も読まれています
最近の連載
- 注目の助成金(208)最大5億円の中小企業成長加速助成金
- 注目の助成金(207)補助金で販路開拓全般を支援
- 注目の助成金(206)事業計画作成に便利なSWOT分析
- 注目の助成金(205)補助上限額が大幅アップ!「ものづくり補助金」の公募開始
- 注目の助成金(204)「不正受給」とみなされてしまうケースとは?
- 注目の助成金(203)オーダーメイド設備が対象の「中小企業省力化投資補助金(一般型)」
- 注目の助成金(202)「企業・会社」だけじゃない!補助金を申請できる法人とは?
- 注目の助成金(201)採択後もやることはたくさん 重要な3つの手続き・報告とは
- 注目の助成金(200)事業再構築補助金の最終公募が開始
- 注目の助成金(199)2つの新設補助金の概要が公表