注目の助成金(17)採択される「コツ」教えます

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(2)補助金は、「独自性」と「採算性」がポイント

補助金の申請で重要なことは、(1)切り口に独自性があって目新しい(2)売上や収益の見込みが立っている(3)公表されている審査基準に対して網羅的に対応している内容である(4)会社の理念、目標が反映された事業計画である(5)全社的な課題やマーケティング上の課題、技術の課題が明確であり、それに対する補助事業を行うことで具体的にどう解決できるかが詳細に書かれている(6)自社、競合、顧客の視点が明確になっている(7)社会的な意義が感じられる――などが挙げられます。特に、「(1)独自性」と「(2)売上の見込み」に説得力がないと採択されるのは難しくなります。

いくら新規事業といっても、うどん屋がそば屋をやるというのは新規事業ではありますが、誰でもできそうです。切り口に目新しさがありません。しかし、こだわりのうどん屋が地元の特産品であるゆずの農家から独自の仕入れルートで小麦にそのゆずを練り込んだ香りのする新商品を開発し、そのための練り込む機械を購入するというのはどうでしょうか? 地元の産業のPRにもつながり、目新しくなります。

補助金の申請では、こうした切り口を探すことが、まずは重要になります。

また、売上や収益の見込みというハードルはとても高いです。計画上の見込みは鉛筆をなめて書くことは可能でしょうが、決算書の提出も求められますので、現状の財務内容や収益力が問われます。

もちろん、現事業で法人税をしっかり収めているだけの収益を上げており、金融機関からの借入もすぐにできる企業は問題ないでしょう。

しかし、赤字が数期連続続いており、債務超過に陥っている企業の場合はどうでしょうか? 新規事業どころか、本業の立て直しがまずは優先です。

補助金の場合、支給されるのは補助事業が終わってからさらに数ヵ月先になるので、その間のつなぎ資金をどうするのかということにも明確に答えられなくてはなりません。債務超過だと金融機関からの借入も難しいです。その場合は、なぜ現業で債務超過に陥っているのか、一時的なものなのかどうか、改善余地があるのかどうかなど、詳細に書いていく必要があります。もちろん、つなぎ融資の資金調達の目途が立っている理由も説得力があるように書かなければなりません。

    株式会社ナビット
    東京都千代田区。「地下鉄乗り換え便利マップ」などを展開するコンテンツプロバイダー。地域特派員5万8100人の全国の主婦ネットワークにより、地域密着型の情報収集を得意とする。 https://www.navit-j.com/
2019年03月21日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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