コロナショック、受注を直撃か=回復基調から一転、警戒感強まる | 住宅産業新聞

コロナショック、受注を直撃か=回復基調から一転、警戒感強まる

全文公開中

コロナショックが大手住宅企業の受注活動に急ブレーキをかけた。

旭化成ホームズは2月後半に予定していたロングライフバス見学会を中止。三井ホームは不特定多数を集める集客イベントを自粛し、個別対応に切り替えた。

戸建ての受注は消費増税の影響で2019年5月以降、低迷が続いている。20年2月は、積水ハウスの仲井嘉浩社長が「消費増税の影響が弱まりつつある」とコメントするなど、一部企業で回復の兆しが見え始めた矢先の出来事だけに動揺も大きい。

住宅取得を急ぐ必要のない顧客が商談を先送りするケースも増えており、需要の蒸発を懸念する声もあがる。住宅業界に警戒感が広がっている。

住宅企業が毎月公表する受注速報値をみると、20年2月の戸建て・注文住宅の受注は厳しいながらも上向いていた。事業部門別の受注速報値を公表する大手6社(積水ハウス、大和ハウス工業、住友林業、ミサワホーム、パナソニックホームズ、三井ホーム)の平均値は、19年5月以降、10ヵ月連続で連続で前年同月を下回っている。

ただし、直近の3ヵ月の推移を見ると、19年12月がマイナス18・5%、20年1月がマイナス15・0%、20年2月がマイナス6・7%と、マイナス幅が徐々に縮小。個別の数値をみても、積水ハウスや住友林業、パナソニックホームズの受注速報値に改善傾向がみられた。厳しい受注環境が続くなか、「消費増税の影響は弱まりつつあった」(仲井嘉浩積水ハウス社長)と、一部企業では手応えも感じていたほどだ。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴う世界的な株価の暴落によって、戸建住宅の受注環境の回復速度の鈍化、商談先送りなどの懸念が強まっている。

戸建ての受注機会が減少

受注の先行指標となる総合展示場の来場者組数は「2月前半までは好調に伸びていたが、最終週で大幅にダウンした」(旭化成ホームズ)、「後半から最終週にかけて減少幅が拡大した」(三井ホーム)と話す。政府による新型コロナウイルス緊急対応策が発表された2月13日以降、不特定多数を集めるイベントやバス移動を伴うイベントは軒並み中止か延期となった。特に、2月、3月は、3月末受注を意識した購買意欲アップイベントや、4月以降の受注獲得に向けた新規集客イベントなどを企画する企業が多く、「営業機会が失われたことで今後の受注活動が不安」との声もあがる。

総合住宅展示場は3月16日現在も営業を続けている。「モデル棟同士の距離も離れており、モデル棟内も定期的に換気するなど、閉鎖空間には当たらない」と、関係者は話す。「どんな状況でも住まいが必要な人は展示場に来てくれる」と、感染拡大防止策を徹底して接客するとした。

来場者数が減少するなか「新規名簿獲得数は微増」と話すのはパナソニックホームズ。住宅取得意欲の高い見込み客は一定数確保できているとの明るい話題の一方で、新型コロナウイルス騒動が落ち着いてから改めて検討したいと「商談を先送りするケース」が目立ち始めたとしている。

商談予約のキャンセルや受注の先送りは他社でも確認できた。「今すぐ住宅が必要な人以外は、受注を急がない」(ミサワホーム)。対面での打合せに不安を感じる顧客には、電話やウェブなどを活用した柔軟な対応を支社・支店・営業現場ごとに導入し始めたという。

取得支援策は期限間近

一方、最大3千万円が非課税になる住宅取得等資金贈与税非課税枠拡大の特例を活用しようとした場合、今月中の契約締結が必要。また、住宅ローン控除期間が通常の10年間から13年間に拡充される優遇措置を受けるには、今のところ20年12月31日までに入居しなければならない。着工や工期、引渡し時期などを逆算すると、数ヵ月内の受注が必要になるだろう。

「契約を急かすつもりはないが、お客様の不利益にならないように政府の住宅取得支援策の説明を丁寧に行っている」(三井ホーム)。一部企業では、これらの政策適用期限を見越した受注の動きも確認しているという。

「商談先送りならまだ良い。影響が長引けば、受注自体が立ち消えということにもなりかねない」「今の来場者は住宅取得意欲の高い再訪問客が大半で新規顧客は集客できていない。4月以降の受注が心配」などと営業現場には不安が募る。

2020年03月19日付1面に掲載
定期購読のご案内
アプリ版で購読する
住宅産業新聞社からのお知らせ:弊社著作物の使用に関するお願い
2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

注目したいキーワード

あわせて読みたい

住宅業界の話題(外部サイト)
JavaScriptをOnにしてください
新型コロナウイルス関連の話題(外部サイト)
JavaScriptをOnにしてください
住宅・不動産のニュース(外部サイト)
JavaScriptをOnにしてください
JavaScriptをOnにしてください

最近の特集企画

最近の連載

住宅産業新聞社からのお知らせ

見本紙をダウンロード

ホームページから見本紙がダウンロードできます。定期購読や広告出稿を検討している方は、こちらからご確認ください。

ファイルサイズを小さくするため、見本紙では画像を圧縮しています。パケット通信料金定額制プランに加入していない携帯電話やスマートフォンなどを利用している方はご注意ください。

見本紙をダウンロードする
(ファイルサイズ:25MB)