
積水ハウス(大阪市北区、仲井嘉浩社長)は10月1日、建設会社の鴻池組(大阪市中央区)を傘下に持つ鳳ホールディングス(同、蔦田守弘社長)の連結子会社化に関する手続きを完了したと発表した。
同社は2019年3月7日開催の取締役会で、持分法適用関連会社の鳳ホールディングスを連結子会社化することを決議しており、同手続きを実行したもの。19年5月に実施した既存株主からの株式取得に加えて、1日に実施したA種優先株式の転換で、議決権比率を33・3%から51・8%に引き上げた。
同社は連結子会社化の理由について、19年3月7日に公表した19年1月期決算短信のなかで
「2015年11月の業務提携開始以降、当社の持つ『住』に関する経営資源と、鴻池組が持つ『建築・土木』に関する経営資源を融合させ、マンションやホテル開発等の開発型ビジネスにおける協業をはじめ、情報連携による建築請負の受注獲得等、様々な取り組みによるシナジー効果を創出してまいりました。今後は、これまでの協業分野の中心であった開発型ビジネスに加え、企業・公的不動産の資産価値向上に寄与するCRE・PRE戦略ソリューション事業分野の拡大等、請負型ビジネスにおける協業の取り組みを加速させ、ビジネスチャンスに機敏に対応してまいりたいと考えています。このような中、当社は、両社の協業関係を深化・拡大させるため、より強固な関係性を構築することが必要と判断し、鳳HDの子会社である鴻池組を含む)を連結子会社化することを決定しました」
と説明している。
鴻池組の18年9月期の連結業績は、売上高2511億3800万円(対前期比4・1%増)、営業利益209億円(同2・5%減)。総資産は2010億8200万円。鴻池組の連結化による業績に与える影響については、9月5日に開催した20年1月期第2四半期決算説明会(電話会議)の質疑応答のなかで、以下のように説明した。
「鴻池組は9月決算のため、今期は10月~12月、つまり鴻池組の1Q決算を当社連結決算に取り込む。売上で640億円、営業利益で20億円ほどを想定。来期は売上で2500~2600億円、営業利益で150億円ほどになると考える。現在、鴻池組の受注は堅調だが、ゼネコン全体の動向からすると若干利益率が悪くなってきている。セグメントに関して、今期は「その他」に計上されるが、来期以降については、請負型ビジネスの中にセグメントを1つ増やして鴻池組やRC関係の収益が表示されるようなことも検討中」