注目の助成金(114)生産拠点の整備に最大100億円

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今月1日、「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金(通称:サプライチェーン補助金)」が経済産業省で公募されました。この補助金は「サプライチェーンの強靭化」のための製品・部素材の生産拠点整備にかかる費用を支援するものです。

「サプライチェーン」とは「原材料調達から製造、在庫管理、配送、消費までの一連の流れ」を意味します。近年、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に加えて、原油高騰やウクライナ情勢の影響により輸入が滞っています。そのため、原材料の大半を輸入に頼る日本では、サプライチェーンを維持することが難しくなってきています。そこで特に生産拠点の集中度が高いか、または国民が健康を維持する上で重要度が高い製品・部素材に関し、サプライチェーンを強化するため、サプライチェーン補助金が設けられました。

こちらは中小企業だけでなく大企業も申請対象者となります。

補助額は申請するタイプによって異なります。サプライチェーン補助金には「補助対象事業A」「補助対象事業B」「中小企業特例事業」の3つのタイプがあります。補助対象事業A・補助対象事業Bは上限額100億円、補助率については大企業1/2~1/4、中小企業2/3~1/4となります。補助率は申請する金額に応じて引き下がります。中小企業特例事業は上限5億円、補助率2/3となります。

補助対象事業Aは生産拠点の集中度が高い製品・部素材の生産拠点の整備が対象です。生産する製品・部素材の生産拠点の海外集中度が50%以上である事業者が申請できます。つまり国内の生産拠点を整備して海外への依存度を減らすことが目的となります。対象となる製品・部素材はドローンやロボット等のデジタル関連、高効率ガスタービンや洋上風力発電関連等のグリーン関連が該当します。

補助対象事業Bは国民が健康な生活を営む上で重要な物資の生産拠点の整備が対象です。具体的には抗原検査キットやPCR検査機器等、感染症対策に関する製品・部素材が対象となります。

中小企業特例事業は製品そのものではなく製品の部品を製造し供給する体制を強化するための事業を行う中小企業が対象です。つまり製品を扱う大企業の下請けとして製品の部品を供給している中小企業等が該当します。

サプライチェーン補助金の対象経費は建物取得費、設備取得費、システム購入費となります。機械設備やシステムだけでなく、生産拠点となる工場の購入も対象となります。ただし設備の取得は必須要件であり、工場だけ購入するのは不可となります。また、建物と切り離し不可の附帯設備は設備取得費ではなく建物取得費に計上されます。原則採択された後で発注・購入しますが、事前着手申請が認められれば、2022年1月28日以降発生した経費も対象とすることができます。

サプライチェーン補助金は毎年1回公募されており、22年の公募期間は3月1日~5月6日となります。6月中下旬以降に採択結果が発表された後、実際に事業を実施します。事業実施期間は原則25年3月31日までとなります。

事業によりますが、申請してから補助金を受給するまで遅くとも4年はかかります。それまでの経費はすべて持ち出しとなるため、つなぎの資金を確保できる体制をどのように確立するかが審査で問われます。金額が大きい分申請のハードルは高めですが、申請を検討している方は中小企業診断士等の専門家のサポートを受けつつ事業計画を作成しましょう。

    株式会社ナビット(https://www.navit-j.com/)
    東京都千代田区。「地下鉄乗り換え便利マップ」などを展開するコンテンツプロバイダー。地域特派員5万8100人の全国の主婦ネットワークにより、地域密着型の情報収集を得意とする。
    最新の情報は、助成金・補助金の検索サービス「助成金なう」へ
2022年03月15日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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