経済産業省中小企業庁は1月31日、「ものづくり補助金製品・サービス高付加価値化枠【18次締切分】」の公募を開始しました。革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資を支援します。今回は、ものづくり補助金について解説します。
スケジュールは3月11日に申請受付を開始、同月27日に申請締切となります。公募締切からおおよそ2ヵ月後に採択結果が公表され、12月10日までに補助対象事業を実施するスケジュール感となります。
補助額は従業員数で異なります。5人以下は100万~750万円、6~20人は100万~1千万円、21人以上は100万~1250万円が補助されます。補助率は中小企業が1/2、小規模事業者が2/3となります。
たとえば、従業員15人の中小企業が1500万円の設備2台について、製品・サービス高付加価値化枠を申請した場合、補助額は1500万円×2台×1/2=1500万円となりますが、従業員6~20人は上限額1千万円となるため、1千万円が支給されます。
「新型コロナ回復加速化特例」という特例の要件に合致すれば、中小企業でも補助率が2/3にアップします。特例の要件は「2022年10月から23年8月までの間で、3ヵ月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること」「補助事業を完了した事業年度の翌年度の3月末時点において、その時点での給与支給総額が1・5%以上増加目標を達成していること」となります。
上記の補助額は製品・サービス高付加価値化枠の通常類型で申請した場合です。成長分野進出類型(DX・GX)で申請すると、従業員5人以下は100万円~1千万円、6~20人は100万~1500万円、21人以上 は100万円~2500万円に補助額が大幅アップとなります。さらに補助率も中小企業・小規模事業者問わず2/3となります。ただし、「DX・GX」とある通り、デジタルまたはグリーン関係の分野での新製品・サービス開発が求められます。また、新型コロナ回復加速化特例も適用されません。
製品・サービス高付加価値化枠も前回紹介した省力化(オーダーメイド)枠と同じく、大幅な賃上げを行った場合、最大2千万円まで上限額が引上げられます。賃上げをすれば、最大2500万円+最大2千万円=最大4500円を受給できます。
事業計画書では、開発する製品・サービスの革新性の他、他社との差別化、現在の市場規模、事業を行うことによって得られる優位性・収益性等を記述していく必要があります。「3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること」という要件も求められます。
また、製品・サービス高付加価値化枠の目的には、今までの通常枠にあった「生産プロセスの改善」が含まれていません。そのため、生産プロセスの改善を目的とした設備投資は対象外となる可能性が高いです。
ものづくり補助金の申請には注意点や厳しい要件がありますが、そこさえクリアできれば、多額の補助金を受給できる可能性が大幅に高くなります。特に新製品・サービス開発を予定している方は製品・サービス高付加価値化枠の申請にチャレンジしてみることをおすすめします。
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