注目の助成金(92)先端設備等導入計画で賢く設備投資

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中小企業庁では、中小企業の経営環境を改善するための「経営力向上計画」、新規事業を滞りなく開始するための「経営革新計画」、社内での防災対策やコロナ対策に関する「事業継続力強化計画」など、さまざまな事業計画の策定を奨励しています。

その中でも「先端設備等導入計画」は、中小企業や小規模事業者等が労働生産性向上のために設備投資をするための事業計画であり、この計画が認定されると税制面や金融面で優遇されます。

そこで今回は「先端設備等導入計画」について解説します。

先端設備導入計画を認定するのは市区町村長です。ただし、その市区町村が「導入促進基本計画」を策定し、国の同意を受けていなければなりません。どの市区町村が導入促進基本計画を策定しているかは中小企業庁のホームページなどで確認できます。

申請先の市区町村は設備投資する事業所
市区町村によっては認定の対象外となる業種や地域等もあるため、より詳しい要件を確認するには市区町村に問い合わせる必要があります。また、申請先の市区町村は「企業の所在地」ではなく、「新規取得する設備の所在地」となります。つまり、A市に本社がある企業がB市の事業所で設備投資をする場合、B市に申請書類を提出することになります。

先端設備導入計画による支援を受けるためには、対象設備を新規取得するより前に計画の策定・認定が必要です。既に設備を導入した場合、認定を受けることができないため、スケジュールをよく確認しておくことが必要です。スケジュール的に問題なければ、各市区町村の「導入促進基本計画」に沿っているか確認しつつ、先端設備等導入計画を作成します。計画は対象設備の種類や導入時期、必要な資金の調達方法のほか、「3~5年間内に労働生産性を直近の事業年度末比で年平均3%以上向上させる」という内容を盛り込む必要があります。

計画作成後は支援機関の事前チェックを
作成した計画は、経営革新等支援機関(商工会議所、金融機関、中小企業診断士など)による事前確認をしてもらう必要があります。事前確認を受けた後、市区町村長に計画申請書を提出します。認定されると、市区町村長から認定書が交付されます。

そして、計画に沿った取り組みを実行することになるのですが、その際税制措置・金融支援を受けることができます。

税制措置では、事業者が対象設備を新規取得した場合、その設備にかかる固定資産税(償却資産)の課税標準が3年間ゼロとなります。対象設備は、機械装置、測定工具および検査工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェア、事業用家屋、構築物となります。

2つの要件に注意
対象設備は「先端設備」は以下の2つの要件を満たす必要があります。

まず、設備は一定期間内に販売されたモデルでなければなりません。必ず最新モデルにするというわけではありませんが、中古の設備は対象外となります。

次に、生産効率やエネルギー効率等生産性向上に関する指標が、導入前のモデルと比較して年平均1%以上向上していなければなりません。この2つの要件は工業会等から証明書を取得する必要があります。

金融支援では、資金調達の際の債務保証に関する支援を受けられます。具体的には、金融機関から融資を受ける際、信用保証協会による信用保証のうち、普通保険などとは別枠での追加保証を受けることができます。

例えば、普通保険の通常枠での保証限度額は2億円(組合4億円)ですが、さらに別枠で同額の追加保証を受けることができます。

先端設備導入計画は固定資産税を大幅に削減できるため、特に大掛かりな設備投資を行う企業にとってはおすすめの事業計画です。また、補助金によっては審査の際の加点となる場合もあります。計画の策定を検討する際は、中小企業診断士や税理士等の専門家のアドバイスを受けてみましょう。

    株式会社ナビット(https://www.navit-j.com/)
    東京都千代田区。「地下鉄乗り換え便利マップ」などを展開するコンテンツプロバイダー。地域特派員5万8100人の全国の主婦ネットワークにより、地域密着型の情報収集を得意とする。
    最新の情報は、助成金・補助金の検索サービス「助成金なう」へ
2021年07月15日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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