【まちづくり特集2019】戸建住宅団地再生へ、持続可能なサービス提供基盤の構築を

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自動運転車が団地内の交差点を走る自動運転車が団地内の交差点を走る

同社の多角化した事業の強みが生かせそうなのが、団地内での移住・住み替え・就労支援だろう。

同社が所有する団地北西部の空き地に、地域内の高齢者が移り住めるような高齢者向け住宅街区と、高齢者や障がい者が永続的に就業できる環境を整えるため、胡蝶蘭を育てるビニールハウスを建設し、団地内からの住み替えを促そうと考えている。就労時は、ウェアラブル端末で体温や心拍を計測し、熱中症などを予防する。就労を通じて、高齢者や障がい者に「生きがい」を感じてもらう。

住み替えによって空いた住宅は、同社がリノベーションして団地外からの移住を希望する子育て世帯などに提供する。改修した住宅は、同社のサテライト拠点として、3年間などの一定期間、地域の居場所やクラウドワーカーの仕事場などとして開放することも検討中という。

拠点を通じてリノベーション住宅の良さを体感してもらい、リフォーム潜在客の掘り起こしや地域情報の収集などにも使う。これらの拠点は、最終的には団地外からの移住希望者に提供する計画とした。

これらの実証実験のほとんどが、国からの交付金で成り立っているという。実証期間が終わる2020年以降は、三木市生涯活躍のまち推進機構と地域住民らによる経済的に自立した運営基盤と、永続したサービス提供体制が求められる。

持続可能な体制づくりが必要

「サービスを無料提供するよりも、住民に一定の費用負担をしてもらったほうが、『自分たちのサービス』という意識が芽生える。地域に関心を持つきっかけにもなる」との考えもある。地域への関心が高いキーマン頼りにも限界があるだろう。団地再生には、持続可能な体制づくりが必要になりそうだ。

2019年06月06日付11面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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