注目の助成金(170)能登半島地震・被災者支援の給付金・補助金のご紹介

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令和6年能登半島地震により亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞いを申し上げます。

2024年1月1日、能登半島を中心に発生した大規模地震によって、多くの個人や事業者が被害を受けています。国や自治体では、被災者の救済に向けてさまざまな給付金・補助金を実施することを発表しています。そこで今回は、被災者支援の給付金・補助金についてご紹介します。

実質失業状態の労働者に失業手当

第一に、離職していなくても失業手当を支給する特例が実施される予定です。能登半島地震の被害により、勤務先の企業が事業再開できず、実質失業状態の労働者が多くいることを受けての措置です。失業手当は本来離職しなければ受給できませんが、今回の特例では、災害によって事業所が休業や廃業していれば、その事業所に籍を置いた状態でも受給可能です。支給額は1日当たり上限8490円となります。

雇用調整助成金の要件緩和

第二に、被災した企業を対象として雇用調整助成金の要件が緩和されます。本来の雇用調整助成金では、「販売量や売上高の【直近3ヵ月分】の平均が前の年の同じ時期と比べて10%以上減少した場合」に支給されますが、今回の特例では「販売量や売上高の【直近1ヵ月分】の平均が前の年の同じ時期と比べて10%以上減少した場合」に緩和されます。また、本来は「雇用する人数が前の年と比べて一定数以上増えた場合」は助成対象外となりますが、今回は対象になるとしています。

上記失業手当と雇用調整助成金の特例の適用期間は1月1日から1年間ですが、状況によっては延長するとのことです。

補助金で事業再建を支援

第三に、被災した事業者に対して、事業再建を支援するための補助金を支給する方針とのことです。20年7月、九州地方を中心に甚大な被害をもたらした集中豪雨の際に実施した「なりわい再建補助金」を参考にするとのことです。「なりわい再建補助金」は補助率3/4ですが、上限額は所在する都道府県の被害レベルで分かれ、最も被害を受けた熊本県は最大15億円、長野県や山形県等は最大3億円が支給されました。今回の補助金も億単位の補助金が支給されると想定されます。

被災者世帯に最大20万円を貸し付け

第四に、被災者世帯を対象に「緊急小口資金」が支給されます。「緊急小口資金」は生計の維持が困難になった人に生活費を貸し付ける制度ですが、対象者に「能登半島地震の被災世帯」を加えるとのことです。貸付金額は最大10万円ですが、「世帯員の中に死亡者がいる」、「世帯員に要介護者がいる」、「世帯員が4人以上いる」等の条件に該当すれば、最大20万円にアップします。据置期間は貸付の日から1年以内、償還期限は据置期間経過後2年以内となります。

住宅被害に最大300万円の支援金

第五に、「被災者生活再建支援制度」により、最大300万円の支援金が得られる場合があります。「災害により住宅が全壊するなど、生活基盤に著しい被害を受けた世帯」が対象です。「基礎支援金(住宅の被害程度に応じて支給される支援金)」と「加算支援金(住宅の再建方法に応じて支給される支援金)」に分かれます。基礎支援金は全壊で最大100万円、半壊で最大50万円が支給され、加算支援金は建築・購入で最大200万円、補修で最大100万円、賃借で最大50万円が支給されます。基礎支援金・加算支援金の合計受給額は最大300万円までとなります。なお、単身世帯の場合は受給額が3/4となります。申請期間は基礎支援金が「災害発生日から13ヵ月以内」、加算支援金が「災害発生日から37ヵ月以内」となります。

国や被災した自治体では上記のような支援を続々と行う予定です。各自治体では備蓄物資購入や耐震改修等防災対策に使える補助金を募集しています。いざという時に備えて、これら補助金を活用して事前に防災対策をしておくことをおすすめします。

2024年01月23日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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