注目の助成金(134)事業再構築補助金が大幅拡充

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経済産業省の令和4年度第2次補正予算案が11月8日に閣議決定されました。その予算案のうち、中小企業・小規模事業者等関連施策について、事業再構築補助金が大幅拡充されることがわかりました。今回は今後の事業再構築補助金の変更点について解説していきます。

まず目玉となる変更点は「成長枠」の創設です。成長分野(食品、医薬品、環境、福祉、ロボット、航空宇宙等)への事業転換を支援する特別枠です。補助上限額が最大7千万円、補助率1/2であり、「通常枠(最大8千万円、補助率2/3)」と比べると、支援規模が小さいです。しかし「連続する6ヵ月間のうち、任意の3ヵ月の合計売上高が、コロナ以前の同3ヵ月の合計売上高と比較して10%以上減少」という、いわゆる「売上減少要件」が「クリーン成長枠」と同様にありません。つまり売上が下がっていなくても申請できることになります。

さらに、補助事業期間内に事業場内最低賃金を引上げた場合、補助率が1/2から2/3にアップします。また、事業終了後3~5年以内にこの最低賃金の水準を達成した場合、上限額が3千万円上乗せされます。政府が重要施策として掲げている「構造的な賃上げ」の一環として設けられたインセンティブです。

また、事業終了後3~5年以内に中小・中堅企業から中堅・大企業に規模を拡大した場合、上限額が2倍になる「卒業促進枠」が適用されます。

つまり、7千万円【原則】×2倍(卒業促進枠)+3千万円(賃上げ)=1億7千万円を受給できる可能性があります。

第二に、「クリーン成長枠」が「スタンダードクラス(最大1億円、補助率1/2)」と「エントリークラス(最大8千万円、補助率1/2)」に分かれました。「スタンダードクラス」は今までの「クリーン成長枠」の要件と同じですが、「エントリークラス」は研究開発期間を2年から1年に短縮する等の要件緩和がされています。「クリーン成長枠」のハードルを低くすることで、政府の重点施策である「脱炭素化・カーボンニュートラル」を促進させる狙いがあります。

「クリーン成長枠」も「成長枠」と同様、事業場内最低賃金をアップさせた場合の上限額の上乗せや補助率アップ、及び「卒業促進枠」が適用されます。

第三に、「産業構造転換枠」が創設されました。国内市場が縮小する等の構造的な課題を抱えた業界に属する事業者を支援する特別枠です。市場規模が10%以上縮小している業種・業態の事業者が対象であり、その業種・業態からの転換を支援します。最大7千万円、補助率2/3ですが、対象事業に「廃業費」が含まれる場合、上限額が2千万円上乗せされます。

第四に、「サプライチェーン強靱化枠」が創設されました。この特別枠は、海外で製造していた部品を国内製造に切り替え、国内のサプライチェーン(原材料調達から販売に至るまでの流れ)の強靱化に資する取組を支援します。経済産業省で毎年公募されている「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」の事業再構築補助金版という建付けです。ウクライナ侵攻等海外情勢が緊迫化し、円安が進行している中、脱海外依存を進めるための施策となります。

補助額は最大5億円(補助率1/2)と極めて大きく、工場立地等の億単位の大型投資が対象になると想定されます。

今回ご紹介した新しい事業再構築補助金は予算成立後に公募開始します。売上減少が必要でない「成長枠」、補助額が非常に大きい「サプライチェーン強靭化枠」等、自社が行いたい新規事業や自社の状況に応じて、特別枠にチャレンジしてみましょう。

2022年11月29日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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