注目の助成金(121)事業再構築補助金に緊急対策枠が登場

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政府は長引くコロナ禍やウクライナ情勢等に伴う原油価格高騰を受けて、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」を閣議決定し、影響を大きく受けている中小企業の積極的な支援を開始する予定です。その支援の1つとして「事業再構築補助金の拡充」を掲げています。すなわち、「原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)」という特別枠の新設です。また、通常枠や既存の特別枠についても審査基準の変更がなされるとのことです。現在、第6回公募が6月30日まで申請受付中ですが、それ以降の第7回公募より上記の変更がなされる予定です。

そこで今回は事業再構築補助金の最新情報について解説します。

事業再構築補助金では第6回公募より、ウクライナ情勢等に伴う原油価格・物価高騰が原因で、今年1月以降の月の売上高が、19~21年の同月と比較して10%以上減少している場合、審査の際の加点として優先的に採択しています。

そしてこの加点項目を申請要件として申請されるのが、「原油価格・物価高騰等緊急対策枠(緊急対策枠)」です。その他の要件については、「事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること」「事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3・0%以上増加」等通常枠とほぼ同じです。

通常枠や他の特別枠ではコロナ以前の売上高と比較するため、21年以降の創業者は補助対象外となります。しかし、緊急対策枠では22年と21年の売上高の同月比較ができるため、補助対象になる場合があります。

補助下限額は100万円ですが、補助上限額は従業員数によって異なります。従業員5人以下は1千万円、6~20人は2千万円、21~50人は3千万円、51人以上は4千万円となります。

また、補助率も企業規模によって変わり、中小企業・小規模事業者は3/4、中堅企業は2/3となります。なお、従業員数5人以下の場合500万円、6~20人の場合1千万円、21人以上の場合1500万円を超える部分については、中小企業が2/3、中堅企業が1/2となります。

想定される採択事例として、以下が考えられます。

たとえばある住宅会社では家づくりに必要な木材をロシア企業から輸入していましたが、ウクライナ情勢に伴う金融取引の制約によりロシアへの送金ができなくなりました。新たな調達先も見つからず、売上が立たない厳しい状況です。そのため、木材に関するノウハウを活かし、木材専用のフルフィルメントサービス(倉庫業)を行うためのシステムを構築しました。そして、非対面での営業活動を徹底する等感染症予防策を取りつつロシアに依存しない調達先の確保に取り組んでいく、という事業が採択されやすくなります。

申請の際には、原油価格や物価の高騰の影響を受けたことがわかるエビデンスを求められるとのことです。申請を検討している方は関連する書類を保存しておきましょう。

一方、通常枠や他の特別枠でも第7回公募以降審査基準が変更される予定です。第一に、「既存事業の売上減少が新型コロナウイルスの影響を原因としているか」という審査項目が、「既存事業の売上減少が新型コロナウイルスの影響や『原油価格・物価高騰等』を原因としているか」と変更されます。第二に、「事業再構築補助金を活用した新規事業が、ポストコロナ・ウィズコロナに対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか」という審査項目が追加されます。つまり、新型コロナではなく物価高騰による影響で売上が減少した場合でも、取り組む事業は新型コロナの感染予防と関連付けなければならないということです。

2022年06月14日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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