
岸田文雄氏が第100代内閣総理大臣になりました。岸田総理は「新自由主義を見直し、再配分を重視する」と発言しており、今後格差是正をするために低所得者や中小企業への給付を強化していくと想定されます。現在もコロナ禍の影響により収入が減って生活が苦しくなった方への給付金が公募されています。そこで今回は現在でも申請できる代表的な給付金をご紹介します。
まず、厚生労働省の「低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金」ですが、生活に困窮したシングルマザー(ファザー)を支援する、いわゆる「ひとり親給付金」として知られています。しかし、「ふたり親給付金」ももちろん存在します。
対象者は「2021年3月31日時点で18歳未満の児童(障害がある場合20歳未満)であり、かつ21年1月1日以降に住民税非課税相当の収入である世帯」となります。給付額は児童1人につき5万円です。21年4月分の児童手当または特別児童扶養手当を受給している場合、給付金の申請をしなくても受給できます。それ以外の場合、児童手当の対象ではない高校生しか児童がいない世帯等は、申請書等の必要書類を所在する市区町村に提出する必要があります。
同じく厚生労働省では、失業や休業により収入が減った方に対して、家賃の一部を補助する住居確保給付金も支給しています。
給付対象者は離職・廃業後2年以内の者か、収入を得る機会が個人の責ではないやむを得ない理由で減少し、離職・廃業と同程度の状況である者です。収入・資産が一定額を越えないことも要件となります。この一定額は市区町村によって異なります。収入の場合、世帯収入合計額が、市町村民税均等割が非課税となる収入額の12分の1+家賃額を超えない必要があります。例えば東京都特別区の場合、単身世帯が13万8千円、2人世帯が19万4千円、3人世帯が24万1千円が目安となります。資産の場合、世帯の預貯金の合計額が市区町村ごとに定めた金額を越えないことが必要です。
支給期間は原則3ヵ月ですが、求職活動等を誠実に行っている場合は最長9ヵ月まで延長可能です。支給額は市区町村で異なります。東京都特別区の場合、単身世帯が5万3700円、2人世帯が6万4千円、3人世帯が6万9800円が目安となります。
さらに、厚生労働省では生活が苦しくなっている年金生活者に対する給付金である「年金生活者支援給付金」も実施しています。老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金のいずれかの受給者であり、一定の収入以下である方が対象となります。
例えば、「老齢年金生活者支援給付金」の場合、給付額は月額5030円であり、それに保険料納付済期間や保険料免除期間をかけた金額となります。
年金生活者支援給付金の請求手続きは各自治体によって異なるため、お住いの自治体に確認しておきましょう。また、2年目以降の手続きは原則必要ありません。
「ひとり親・ふたり親給付金」と同じく児童がいる世帯に対する給付金として、文部科学省の「高校生等奨学給付金」があります。
コロナ禍の影響により、親が失業する等して生活が困窮し、教育費の支払いが難しくなっている学生が増えています。その学生を支援するため、授業料以外の教育費負担、つまり教科書代やPTA会費、修学旅行費等を軽減する目的で高校生等がいる世帯に対して支給するのが本給付金です。
支給額(国の補助基準)はその世帯の収入、児童が通っている学校、何番目の児童かによって変わります。生活保護受給世帯の場合、国立・公立高等学校等は年額3万2300円、私立高等学校等は年額5万2600円となります。非課税世帯で児童が全日制の国立・公立高等学校等に在学する場合は年額11万100円(第2子以降は年額14万1700円)、私立高等学校等に在学する場合は年額12万9600円(第2子以降は年額15万円)となります。非課税世帯で児童が通信制・専攻科の国立・公立高等学校等に在学する場合は年額4万8500円、私立高等学校等に在学する場合は年額5万100円となります。
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