注目の助成金(127)引継ぎ後の新規事業を支援する補助金

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中小企業庁の「事業承継・引継ぎ補助金」は、その名の通り事業承継を行う事業者を支援する、例年大人気の補助金です。経営者の高齢化が年々進んでおり、休廃業または解散した企業の数は4万件台を推移し、ほとんどの業種で増加傾向にあります。それを踏まえて設立されたのが本補助金となります。

「経営革新事業」、「専門家活用事業」、「廃棄・再チャレンジ事業」の3つのタイプがありますが、今回はその中でも、事業承継や事業再編、事業統合をした事業者が新たに行う取組全般を支援する「経営革新事業」について説明します。

「経営革新事業」は3つのタイプに分かれます。すなわち、創業にあたって廃業予定の事業者から経営資源を引き継ぐ「創業支援型」、親から子への社長交代等一般的なイメージの事業承継に当たる「経営者交代型」、事業者が別の事業者の合併・買収を行う「M&A型」があります。

対象事業者は中小企業・小規模事業者となりますが、中小企業の場合、以下いずれかの条件に該当する必要があります。

(1)直近の決算期の売上が赤字であること(2)2020年4月以降の連続する6ヵ月のうちの任意の3ヵ月の売上が、コロナ以前(19年1月~20年3月)の同期間と比較して10%以上減少していること(3)中小企業活性化協議会の支援を受けて、再生計画等を策定中または策定済であること――。

つまり、事業再構築補助金(過去の連載104回、121回などで解説)と同じような要件を満たす必要があり、売上の調子が良い事業者の事業承継は認められない場合があります。

また、事業承継後に行う事業についても、「デジタル化に資する事業」、「グリーン化に資する事業」、「事業再構築に資する事業」のいずれかに該当する必要があります。単なる設備投資や業務改善だけでは対象にならず、ものづくり補助金や事業再構築補助金のような独自性がある新規事業が求められます。

ただし、補助対象経費はものづくり補助金等と比べて幅広く、事業に関連しさえすれば人件費が対象になります。また、エアコン、椅子・机、冷蔵庫、複合機、固定電話機等の事務用品も対象となります。その他にも、店舗等借入費、産業財産権等関連経費、謝金、旅費、マーケティング調査費、広報費、外注費等も対象になります。なお、パソコンやタブレット等持ち運びができて他の目的にも使用できるもの、自動車や不動産の購入費等は対象外となります。

補助額は補助率2/3、上限額600万円(下限100万円)となります。なお、事業計画において、「付加価値額」または「1人当たりの付加価値額」が年当たり3%以上向上していない場合、上限額は400万円に引き下げられます。

申請は原則電子申請のみとなります。電子申請には「GビズIDプライムアカウント」が必要であり、申請から取得するまで2~3週間かかります。そのため、まだ取得していない事業者は早めに取得しておきましょう。また、申請には事業計画の他に「認定経営革新等支援機関」による確認書の提出も求められ、見積も原則相見積にすることが必須です。

申請が認められた後、2023年4月30日までに対象事業を実施し、実績報告を行えば、補助金が入金されます。なお、事業完了後5年間は事業化状況報告を行う必要があります。

どの事業者でも経営している限り、必ず事業承継のタイミングがやってきます。経営者が変わっても滞りなく事業が継続できるよう、今回の補助金等も活用して万全の体制を整えておきましょう。

2022年08月02日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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