注目の助成金(43)最大1億円? ものづくり補助金の最新情報

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中小企業基盤整備機構は1月20日、今年のものづくり補助金事務局の公募を開始すると公告しました。

締切は2月14日で、その後事務局の選定がなされます。つまり、2月下旬以降にものづくり補助金の公募が開始されると予想されます。そして、事務局の公募要項に今年のものづくり補助金の概要が記載されています。今回はこの概要について詳しく解説していきます。

小規模型がなくなり3タイプに

まず補助対象事業ですが、前回の「小規模型」がなくなり、(1)一般型、(2)グローバル型、(3)ビジネスモデル構築型――の3タイプになりました。

(1)一般型は前回同様、中小企業や小規模事業者による新製品・新サービス開発・生産プロセスの改善に必要な設備投資及び試作開発を支援するものです。補助上限額は1千万円で、補助率は中小企業が2分の1、小規模事業者が3分の2となります。

(2)グローバル型は、海外事業の拡大・強化等を目的とした設備投資を支援するものです。外資系企業の日本進出数及び日系企業の海外進出数の急増を背景に、日本企業の国際競争力をさらに強化することが狙いです。補助上限額は3千万円、補助率は、一般型と変わりません。どちらも大規模な補助額ですが、経営革新計画の承認の取得による補助率アップ要件の記載がない点が気になるところです。

この2タイプに申請するには、給与支給総額や事業場内最低賃金の増加を盛り込んだ3~5年の事業計画を策定し、従業員に表明する必要があります。また、今回の加点要素は前回と変わらず、「経営革新計画の承認の取得」、「事業継続力強化計画の認定の取得」が盛り込まれています。

また、新たに「5年以内に創業した事業者」、「一定の給与総支給総額・最低賃金を増加させる」も追加されています。新規企業の活性化、及び今年から施行される同一労働同一賃金が意識されています。

一方、前回の加点要素だった先端設備等導入計画の認定の取得、及びクラウドファンディングによる資金調達が記載されていません。また、申請時点において、過去3年間にものづくり補助金の交付を受けた事業者は減点対象となります。

そして、(3)ビジネスモデル構築型は、中小企業や小規模事業者など30者以上のビジネスモデル構築・事業計画策定のための面的支援プログラムをする事業者を支援するものです。多くの中小企業を国が直接支援することによる煩雑さを省くため、国と中小企業の間に企業を介在させて、その企業に中小企業の業務改善・生産性向上を支援させることが狙いと考えられます。

他の2タイプと異なり、中小企業のみ申請可能という記載がないことから、想定する補助対象者は大企業と思われます。補助額も上限1億円、補助率100%と非常に大規模です。

補助予定件数は19年度の約3倍

補助予定件数は約3万件であり、19年度ものづくり補助金の採択数約9531件の約3倍です。ただしこの件数は複数年の採択数を合計したものと考えられます。また、募集期間は通年で、3ヵ月ごと程度に1回ずつ採択発表が予定されています。

なお、上記の内容は1月20日時点のものであり、多少の変更があるかもしれません。しかし、今月下旬以降と見込まれるものづくり補助金の公募までに、どんな取組を行ってどのような内容を申請書に書くかなど、万全に準備しておくことをおすすめします。

    株式会社ナビット(https://www.navit-j.com/)
    東京都千代田区。「地下鉄乗り換え便利マップ」などを展開するコンテンツプロバイダー。地域特派員5万8100人の全国の主婦ネットワークにより、地域密着型の情報収集を得意とする。
    最新の情報は、助成金・補助金の検索サービス「助成金なう」へ
2020年02月13日付2面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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