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1.時間外労働等改善助成金(時間外労働上限設定コース)
同コースは、「就業規則・労使協定等の作成・変更」、「労務管理用ソフトウェアの導入・更新」などの時間外労働の削減につながる取り組みを通じ、指定の成果目標達成に向けて、労働時間及び36協定が定める延長時間の短縮を行った場合に支給されます。また、「週休2日制の導入に向けて、4週当たり5日から8日以上の範囲内で休日を増加させる」という成果目標の追加もできます。
事業実施前の時間外労働時間、及び事業実施後に設定した時間外労働時間で助成額は変わり、1企業当たり上限200万円を支給します。募集期間は19年11月29日までとなります。
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2.時間外労働等改善助成金(職場意識改善コース)
同コースは、時間外労働上限設定コースと同じく「就業規則・労使協定等の作成・変更」などを通じて、従業員の時間外労働削減及び有休取得を促し、職場環境を改善した場合に受給できます。
時間外労働上限設定コースが「時間外労働の上限を会社全体の決まりとして設定すること」を成果目標としているのに対し、職場意識改善コースは、従業員が「(1)年次有給休暇を取得しやすい制度」を整え、かつ「(2)時間外労働時間を減らす」ことが成果目標となります。
(1)では、特別休暇(病気休暇・教育訓練休暇・ボランティア休暇のどれか)を導入し、就業規則に記載する必要があります。(2)では、各労働者の月間平均時間外労働を最低5時間減らす必要があります。
(1)を達成した場合、助成率2分の1、1企業当たり上限額50万円が支給されます。(1)と(2)を達成した場合、助成率4分の3、1企業当たり上限100万円が支給されます。(2)のみを達成しても受給はできません。加えて、時間外労働等上限設定コースとの併給もできません。募集期間は19年9月30日までです。
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3.人材確保等支援助成金(働き方改革コース)
時間外労働等改善助成金を実施すると、従業員1人当たりの労働時間は減少しますが、その分生産性も減少する危険性があります。それを防ぐために新たな人材を確保する取組を支援するのが、働き方改革コースです。
この助成金の対象となるのは時間外労働等改善助成金を受給した企業です。人材を1年以上継続雇用すれば、1人当たり60万円を受給できます。なお、上限人数は10人、短時間労働者の場合は支給額40万円となります。さらに、一定の生産性要件を満たせば1人当たり15万円(短時間労働者は10万円)が加算されます。
上限規制は中小企業も対象に、早めの対応を
今回、解説した助成金は、時間外労働の上限規制が中小企業にも適用される20年4月1日以降は廃止される可能性があります。必ず時間外労働の上限規制を導入しなければならないのであれば、今のうちにこれらの助成金を活用して整備しておくことをおすすめします。
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株式会社ナビット(https://www.navit-j.com/)
東京都千代田区。「地下鉄乗り換え便利マップ」などを展開するコンテンツプロバイダー。地域特派員5万8100人の全国の主婦ネットワークにより、地域密着型の情報収集を得意とする。
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最新の情報は、助成金・補助金の検索サービス「助成金なう」へ
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