【夏季特集2018】移住・住みかえ支援機構=高耐久住宅使い回せ、子育て用を必要とする家族へ

一次取得者の住宅取得理由のひとつに「子育て」がある。子ども部屋があり、保育サービスや小・中学校への通学に便利な、子育てに適した「子どものための住宅」は、子どもが巣立つ20~30年後には、その目的を終える。

大規模修繕したり、売却して老後に備えるのも一つの手だが、移住・住みかえ支援機構(JTI)は、住宅を保有しながらの「賃貸」を提案する。夫婦2人には広すぎる子育て用の住宅は、広い住宅を必要とする次世代の子育て家族に貸してしまおうという考えだ。

そのためにも、新築時に90年後を見据えた高耐久の住宅を取得する必要がある。移住・住みかえ支援機構の斉藤道生副代表理事に話を聞いた。

斉藤 JTIは、個人所有の住宅の賃貸借を支援する組織だ。50歳以上の人が所有する住宅をJTIが借り上げ、子育て世帯などに転貸する「マイホーム借り上げ制度」や、長期優良住宅などの高耐久で適切な維持管理がされている住宅を、将来にわたっていつでも賃貸できる住宅として認定する「移住・住みかえ支援適合住宅制度」などを運用している。良質な住宅ストックを増やし、住宅を資産として活用できる社会を目指している。

移住・住みかえ支援適合住宅制度は、主に新築時に認定する。JTI認定協賛事業者が施工・販売した住宅で、JTIが定めた手続きをすると認定される仕組みだ。1件あたり3万円の手数料がかかるが、「いつでも貸せる=家賃収入が見込める」資産価値がある住宅と、JTIが認めたようなものだ。2008年3月の開始以来、約10年間で累計7万4千件以上(18年7月6日現在)を認定している。

同一都道府県内の住み替えが5割強

「移住」と聞くと、東京などの首都圏から数百キロ離れた地方に移り住むイメージだが、JTIの借り上げ制度を利用して移住した人のうち、53・4%は同一都道府県内での住み替えだった。同じ市町村内、隣の敷地への住み替え事例も複数ある。移住者の心理としては、「全く馴染みのない地域に移り住むのはリスク」と捉えているのだろう。ご近所付き合いが維持できる範囲内での移住が大半を占めている。

もし、これから住宅を取得するのなら、多少、初期費用がかさんでも、90年後も使い続けられる長持ちする住宅(長期優良住宅)を勧める。今、子育てや通勤、通学のための住宅が必要なのかもしれないが、子育ては25年後には終わる。それから間もなく、通勤の必要もなくなるだろう。

2018年07月12日付4面から抜粋
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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