
日本CLT協会、つくばにCLT実験棟
日本CLT協会は2015年12月9日、茨城県つくば市にある国立研究開発法人建築研究所の敷地内に、CLTパネルを構造体に用いたCLT実験棟(木造2階建て、延床面積約166平方メートル、軒高8630ミリメートル)の構造見学会を行った。
欧州でのCLT利用は1990年代から始まった。欧州では域内で年間約70万立方メートル(推計)が生産されるなど一定の普及を見ているCLTだが、日本ではCLTに関する基準強度告示がまだ定められていないため、CLTを構造体とする建築物は全国でもまだ5棟(15年11月末時点)。その多くが補助事業を活用し建てられている。基準強度告示が出されるのが今年であることに加え、年末に決定した新国立競技場の整備内容の一部にCLTの利用が含まれていることもあり、林産業関係者は今年を「CLT元年」と位置付け、その需要拡大に期待を寄せている。
CLT普及の展望について中大規模木造の設計・施工に携わる大手建築事業者の技術者は、「行政の補助金頼みではなく、CLTならではこそ必要とされる用途を実用化できるかどうかにかかっている」と話す。