中小企業庁は10日、「事業再構築補助金」の13次公募を開始しました。この13次公募で新規の応募申請受付を終了するとのことです。つまり、最後の「事業再構築補助金」です。公募締切は3月26日となります。同補助金の活用を検討している人は、公募要領を読み込み、採択を目指しましょう。
◇ ◇
対象となるのは中小企業と中堅企業で、補助上限額と補助率は各枠によって異なります(カッコ内は短期に大幅な賃上げを行った場合。なお、「コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)」についてはコロナで抱えた債務の借り換えを行っていない場合)。
「成長分野進出枠(通常類型)」は従業員数20人以下が100万円~1500万円(2千万円)、21~50人が100万円~3千万円(4千万円)、51~100人が100万円~4千万円(5千万円)、101人以上が100万円~6千万円(7千万円)となります。
補助率は中小企業者1/2(2/3)、中堅企業1/3(1/2)です。
グリーン成長戦略に係る新規事業を支援する「成長分野進出枠(GX進出類型)」では、中小企業であれば20人以下が100万円~3千万円(4千万円)、従業員数21~50人が100万円~5千万円(6千万円)、51~100人が100万円~7千万円(8千万円)、従業員数101人以上が100万円~8千万円(1億円)です。中堅企業であれば、1億円(1億5千万円)です。補助率は「通常類型」と同じです。
最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者を対象とした「コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)」では、5人以下が100万円~500万円、6~20人が100万円~1千万円、21人以上が100万円~1500万円です。補助率は中小企業者3/4(2/3)、中堅企業等2/3(1/2)です。
中小企業から中堅企業に成長する場合に上乗せ補助する「卒業促進上乗せ措置」は各枠の上限額に応じて補助額が変わります。補助率は中小企業1/2、中堅企業1/3です。
大規模な賃上げを行う場合に上乗せ補助する「中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置」では、最大3千万円が上乗せされます。補助率は「卒業促進上乗せ措置」と同じです。
申請する要件は各枠によって異なりますが、「金融機関や認定経営革新等支援機関の確認を受けていること」、「補助事業終了後3~5年間で付加価値額の年平均成長率が一定以上となる見込みの事業計画を策定すること」はどれも共通しています。たとえば「成長分野進出枠(通常類型)」であれば、付加価値額の年平均成長率4・0%以上、「コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)」であれば3%以上増加する見込みの事業計画の策定が求められます。
補助金申請の審査では、上記付加価値額の目標の達成が現実的かどうかの他に、補助事業が「事業転換・業種転換」、「新市場進出」、「事業再編」などの定義を明記した「事業再構築指針」に従っているかもチェックされます。
「事業再構築補助金」のあとは「新事業進出補助金」が後継として公募される予定です。成長・拡大を通した生産性向上や賃上げを促すために実施する新規事業に対して、最大7千万円が補助されます。「事業再構築補助金」の申請が間に合わないようであれば、こちらの補助金でチャレンジしてみるのもよいでしょう。
記事をシェアする
こんな記事も読まれています
この記事のキーワード
最近の連載
- 注目の助成金(204)「不正受給」とみなされてしまうケースとは?
- 注目の助成金(203)オーダーメイド設備が対象の「中小企業省力化投資補助金(一般型)」
- 注目の助成金(202)「企業・会社」だけじゃない!補助金を申請できる法人とは?
- 注目の助成金(201)採択後もやることはたくさん 重要な3つの手続き・報告とは
- 注目の助成金(200)事業再構築補助金の最終公募が開始
- 注目の助成金(199)2つの新設補助金の概要が公表
- 注目の助成金(198)中小企業庁の最新補助金情報
- 注目の助成金(197)今後の補助金はどうなる?
- 注目の助成金(196)政府の「総合経済対策」が決定!今後の補助金や給付金はどうなる?
- 注目の助成金(195)不採択理由で最も多い!書類の不備に注意しよう