注目の助成金(199)2つの新設補助金の概要が公表

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2024年12月17日、国の24年度補正予算が成立し、「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「小規模事業者持続化補助金」などの主要な補助金に係る最新情報が続々と公表されています。その中でも特に注目度が高い新設の「新事業進出補助金」、「中小企業成長加速化補助金」について、補助額や申請要件などの詳しい情報が公表されました。具体的にどんな補助金になるのでしょうか。

「新事業進出補助金」は「事業再構築補助金」の後継という立ち位置です。「事業再構築補助金」が「コロナ禍で打撃を受けた企業が業績を回復するために中小企業が実施する新規事業を支援する」いう建て付けだったのに対し、「新事業進出補助金」は「成長・拡大を通した生産性向上や賃上げを促すために中小企業が実施する新規事業を支援する」という建て付けになります。

申請要件は「事業再構築補助金」よりやや厳しくなっています。売上目標として「付加価値額(営業利益+人件費+原価償却費)の年平均成長率4%以上増加」、賃上げ目標として「『1人当たり給与支給総額の年平均成長率が地域別最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上』、または『給与支給総額の年平均成長率2・5%以上』」、「事業所内最低賃金が地域別最低賃金の30円以上」があります。

さらに、「一般事業主行動計画」の公表も要件となっています。「一般事業主行動計画」は、従業員が仕事と育児を両立させるための雇用環境の整備などに関する行動計画であり、常時雇用する労働者101人以上の事業主は策定・公表が義務付けられています。100人未満の事業主であれば義務ではありませんが、「新事業進出補助金」を申請する場合は取り組まなければなりません。

補助上限額は従業員数で変わり、20人以下は2500万円(3千万円)、21人~50人は4千万円(5千万円)、51~100人は5500万円(7千万円)、101人以上は7千万円(9千万円)となります(カッコ内は大幅な賃上げをした場合)。補助下限額は750万円、補助率1/2となり、最低1500万円以上の設備投資が求められます。対象経費は機械装置やシステム構築費のほか、建物費、外注費、広告宣伝費も含まれ、「事業再構築補助金」と同じく幅広い経費が対象になっています。

「中小企業成長加速化補助金」は「売上高100億円を目指す中小企業の設備投資を支援する」という目的で設けられたもので、高額な設備投資のほか、工場の新増設も対象経費となります。補助額は上限5億円、補助率1/2と非常に高額ですが、「投資額1億円以上」という要件があります。ちょうど、投資額10億円以上が必要な「大規模成長投資補助金(上限50億円)」のスモール版のような建て付けになります。

なお、「大規模成長投資補助金」と異なり、「売上高100億円を目指す宣言」を申請前に実施する必要があります。25年春頃に開設予定のポータルサイトにて、売上高100億円を実現するための目標や施策などの公表が求められるとのことです。

◇ ◇

どちらの補助金も補助額が大きい分、採択されるためのハードルが高くなると想定されます。申請を検討されている場合、今のうちに申請予定の事業案を固めておくことをおすすめします。また、「一般事業主行動計画」の公表も早めに対応しておくことをおすすめします。

2025年01月14日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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