注目の助成金(35)中小企業を救うセーフティネット保証とは | 住宅産業新聞

注目の助成金(35)中小企業を救うセーフティネット保証とは

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2019年9月、台風15号により多くの地域が被害を受けました。

特に千葉県ではインフラが機能せず、被災者の多くが苦しい生活を強いられました。また、被災した事業者もまともに経営できず、そのまま破綻してしまう危険性に見舞われました。そのため経済産業省では、台風15号の被害を受けた地域に所在する中小企業に対して、セーフティネット保証4号の発動を決定しました。

セーフティネット保証制度とは、経営悪化の恐れがある中小企業に対して金融機関が滞りなく融資できるよう、信用保証協会が保証を行う制度です。今回はこのセーフティネット保証制度について解説します。

台風被害で4号を発動

信用保証協会は信用保証協会法(1953年制定)に基づいて設立されました。47都道府県と4市(横浜市、川崎市、名古屋市、岐阜市)に置かれ、主に中小企業や小規模事業者に対する金融支援を行っています。その支援の1つがセーフティネット保証制度です。

「得意先が倒産した」「災害に見舞われ、事業所が壊滅した」「取引金融機関が破綻してしまった」という非常事態が起こったとき、経営基盤がぜい弱な中小企業は破綻の危機に晒されます。また、経営悪化を理由として金融機関がその企業に融資するのをストップする恐れもあります。

そのため、信用保証協会が「万が一の場合はウチがお金を返しますよ」と金融機関に対して保証します。すると、金融機関は「信用保証協会が保証するなら安心だ」と中小企業に安心して融資できます。これがセーフティネット保証制度です。

しかし、信用保証協会はどの中小企業に対しても保証できる訳ではありません。セーフティネット保証制度を受けるには以下1~8号のいずれかに該当する必要があります。

1号=倒産関連
2号=取引先企業のリストラ等の事業活動の制限
3号=突発的災害(事故等)
4号=突発的災害(自然災害等)
5号=業況の悪化している業種(全国的)
6号=取引金融機関の破綻
7号=金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整
8号=金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡

また、1~8号の中でも細かい条件があり、経済産業省が指定した地域や業種などに該当する必要があります。

4号は指定地域に注意

たとえば「4号=突発的災害(自然災害等)」の場合、前述の台風15号の被害を受けたとしても、千葉県・神奈川県・東京都の指定地域に該当しなければ、保証されません(19年9月30日現在)。また、「1号=倒産関連」は、倒産企業に対して売掛金債権を有する中小企業を救うための措置ですが、倒産企業ならば何でもいいという訳ではなく、19年度現在の指定事業者は3社しかありません。

このようにセーフティネット保証制度が適用される中小企業は限られています。ただ、「5号=業況の悪化している業種(全国的)」だけは非常に多くの中小企業に利用されてきました。5号は全国レベルで景気が悪化している業種の中小企業を支援するための措置です。08年のリーマンショック以降多くの業種が業況悪化したことにより、申込者が飛躍的に増加しました。しかし、対象業種の見直しなどがあり、現在では数が絞られています(同日現在、造園工事業や板金工事業、建築金物工事業、塗装工事業、貸家業、家具修理業など213業種が対象)。

また、中小企業全体の景気が上向きであることから、信用保証協会が保証承諾した額において、5号が占める比率は59.7%(09年度)から5.3%(16年度)まで大幅低下しています。

中小企業は大企業と比べて経営基盤がもろく、金融機関の融資を受けられなかったり借入金の依存度が高かったりする場合が多いです。経営悪化のため金融機関の融資を受けられないと悩んでいる企業は、自社がこのセーフティネット保証制度の1号~8号に該当していないか一度確認してみることをおすすめします。

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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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