注目の助成金(14)経費の記録は忘れずに

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証拠書類はその都度整理証拠書類はその都度整理

今回は、助成金・補助金に採択された後の注意点として、(1)経費の記録・管理(2)助成金・補助金の会計処理――の2点について詳しく説明します。

(1)経費の記録・管理

基本的に助成金・補助金は対象経費の半分や3分の2などが後から支給されます。実際に入金されるのは、対象事業が終わってから2ヵ月ほど後になります。事業期間が1年間だとすると、1年2ヵ月後に入金されることになります。そのため、その期間の経費の支出分をつなぎ融資などで賄うことが一般的に行われています。

また、対象事業が計画通りに進んでいるかを確認するため、事務局が定期的にチェックすることもあります。そのチェックで引っかからないよう、実際に使われた経費を適切に記録・管理することが求められます。この記録・管理が煩雑で手間がかかり、必要な証拠書類が足りず、申請額がもらえなかったという声もよく聞きます。

必要な証拠書類としては(1)仕様書(控)・カタログ等(2)見積書(3)発注書(控)または契約書(4)納品書(5)請求書(6)支払確認が可能な資料(7)写真――があります。特に(2)など、金額が大きくなるものに関しては、数社から相見積を取る必要があるなど、用意するのに多くの手間がかかります。

また、対象経費の報告は、実際の経費と違う金額を計上したら不可となります。とある会社では、労務費を補助金の対象事業だけでなく、通常の事業で働いていた分も計上してしまい、労務費の経費がすべて認められませんでした。その会社は、補助金を資金繰りに使おうと考えていたため、労務費分の補助金が支給されず、人件費の支払いに窮してしまうという事態にまで発展しました。

そのような事態を避けるためにも、助成金や補助金の公募要項を読み込み、対象事業が始まったら、かかった経費に関する書類をその都度そろえていくことが重要です。採択されたらもう安心だというわけではありません。証拠書類の整備を念頭に入れ、補助金を確実にもらえるようにしましょう。

次ページでは入金された後の会計処理の注意点を紹介

2019年02月21日付6面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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