【夏季特集2019】LIXIL住宅研究所のレジリエンス住宅=災害後も自立生活を

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レジリエンス住宅CH14レジリエンス住宅CH14

LIXIL住宅研究所(東京都江東区、加嶋伸彦社長)は、耐震・制震設計による強い家づくりを基本として、災害時に電気・ガス・水道のライフラインが一時的に途絶えたとしても、復旧までの間に自立した生活が可能な『レジリエンス住宅』を2008年から運営する住宅フランチャイズであるアイフルホーム、フィアスホーム、GLホームで展開している。

特に自立型コージェネレーション+大容量LPガスバルクをセットにしたレジリエンス仕様は外部から電気の供給が停止しても約1ヵ月間、ガスコンロや照明、家電や冷蔵庫を使用できる。

同社では「災害時に通常の生活が可能な住宅は、平常時でも過ごしやすい」という考えのもと、地震などによる建物の被害を防ぐのはもちろん、災害後も住み続けられるような住まいづくりを行っている。

2008年から取組開始

同社のレジリエンス住宅の取り組みは2008年から。発売した太陽光発電システムと電気自動車を融合させたコンセプトホーム『クールアースモデル住宅』の開発だった。ただ、当時は電気自動車から家に電力を戻せる仕組みがなかったため、実験的な取り組みにとどまった。

同社では、これまでも省エネ、創エネ、蓄エネという取り組みを行ってきていたが、停電時でも使用可能なコージェネレーションやLPガス、電気自動車に電気を貯めて使用ができる「レジリエンス的な発想を行うようになった」(商品本部・高橋司郎副本部長)という。

その後、東日本大震災を経て開発されたコンセプトホームとして次世代スマートハウス『GURU GURU』を発表した。

これは、災害時に電気・ガス・水道といったライフラインが途絶えたとしても、災害に強いLPガスと自立型コージェネレーションをセットにしたレジリエンス仕様により、ライフラインの復旧までガスコンロや照明、家電や冷蔵庫といった最低限の生活に必要な電力の使用が可能となり、自立した生活を維持することができるもの。

これまで経験した災害の知見から都市ガスは、災害時に復旧までの時間が遅れがちになる。そのためLPガスを使用したコジェネ発電を使用することで、情報を得るためのテレビ、食品を保存する冷蔵庫、最低限の室内照明を最低でも2週間程度確保することができる。

2週間という期間は、これまで経験した災害から、ライフラインが復旧するまでの平均的な日数から計算されたものだという。

また、13年には災害時に回復力を持ち、平常時は免疫力を持つ「レジリエンスな家」をコンセプトとした『レジリエンス住宅CH14』を発表。

『レジリエンス住宅CH14』は、居住者の「健康レジリエンス」を考え、病気に対して免疫力を高める工夫を盛り込んでいるのが特徴。

さらに15年には、有事において家族の生命や財産を守ることを目指したレジリエンス性能を持つ「次世代レジリエンスホーム『家+X』」を本田技研工業とのコラボレーションにより提案。

これまでのように、耐震+制震構造による躯体を前提に、昼間は太陽光発電、夜間は本田技研工業の「エコウィルプラス」とLPガスで電気をつくることで、約30日にわたって電気・ガスの供給を可能にしている。

建物で生命を守る

「エコウィルプラス」は停電時でも始動可能な自立運転機能がついており、住宅内の電気・給湯機器などが使用できる。さらに、オプションで水道水の循環備蓄装置を設置することで、大人4人の家族の場合、3日分の飲料水を確保できる。

同社としてこれまでレジリエンス住宅のコンセプトホームを発表、商品化してきたが、その基本にあるのは「建物そのもので生命を守る提案」という住まいづくりにある。災害後も自宅において自立した生活ができるように、ライフラインが復旧するまでの生活を確保するところにある。

同社としては今後、健康という観点も含めたレジリエンスが必要と考えており、レジリエンスに関わる商品の普及・促進を行っていく考えだ。

    ※現在、本田技研工業では「エコウィルプラス」を販売していないため、LIXIL住宅研究所では、代替機としてガスを使った発電機を提案している。
2019年07月11日付4面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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