注目の助成金(174)自治体独自の給付金を紹介
国の方針に基づき、低所得世帯につき10万円、子ども1人5万円の給付金が各自治体で実施されています。しかし、自治体によっては独自の給付金を行っているところもあります。そこで今回はどんな独自の給付金が実施されているのか、いくつか事例を紹介していきます。
まず、沖縄県嘉手納町では、2005年4月2日から24年1月31日までに出生した児童につき、1人2万円の給付金を支給します。支給対象となる保護者は児童手当・特例給付の受給者だけでなく、所得の都合上児童手当・特例給付を受給できない方も対象となります。つまり、所得が低いか高いかを問わず、ほぼ全子育て世帯が対象となります。
児童手当・特例給付の受給者は原則申請不要で支給されますが、それ以外の方は役所に申請する必要があります。
大分県杵築市でも嘉手納町同様に対象児童1人につき2万円の給付金を実施しています。24年3月31日時点で18歳以下の児童を養育している方が対象となります。
このように全ての子育て世帯を対象とする給付金を実施する自治体は多いですが、自治体によっては対象児童の要件や給付額が異なります。
たとえば、秋田県北秋田市では05年4月2日から23年12月31日生まれの児童が対象になり、上記の嘉手納町より1ヵ月ほど短くなっています。また、給付額も就学前 (17年4月2日~23年12月1日)2万円、小学生・中学生(09年4月2日~17年4月1日)3万円、高校生(05年4月2日~08年4月1日生)5万円となります。
宮城県大崎市も、23年12月1日時点で大崎市に住所のある18歳以下の児童を対象として、児童1人1万5千円を支給します。また、岐阜県岐南町では北秋田市同様に05年4月2日から23年12月31日生まれの児童を対象として、児童1人5千円を支給します。さらに、長崎県長崎市では小中学生のみを対象として、小学生1人5500円、中学生1人1万1千円を支給します。
給付方法も自治体によって異なる場合があります。たとえば、作業効率化のためにLINE等のSNSアプリを通じた給付を行っているところもあります。兵庫県加古川市では、市の公式LINEアカウントを通じて給付金のオンライン申請を行えるようにします。東京都東大和市では、LINEの決済サービスを用いた給付金を実施し、市内在住の高校生を対象として、1人1万円分のポイントを付与します。
自治体が独自に実施している給付金の多くは子育て世帯を対象にしたものです。国が推し進めている「異次元の少子化対策」に合わせて自治体も関連施策を実施する傾向があるためです。しかし、自治体によっては単身世帯も含む全世帯に対して給付金を実施するところもあります。
たとえば、徳島県阿南市では市内全世帯を対象として、1世帯につき10万円を支給する予定です。また、18歳未満の児童についても、1人につき3万円を支給するとのことです。
現在も物価高騰による家計へのダメージが続いていることから、国・自治体の給付金は今後も実施されていくと想定されます。直近の大きなトピックとしては、23年1月から開始している、妊産婦に10万円相当を支給する「出産・子育て応援交付金」が24年も引き続き実施され、25年には制度化するとのことです。また、能登半島地震の被災者を対象として、被災した規模に応じて最大600万円の生活再建支援金や最大20万円の緊急小口資金が支給される予定です。
今回紹介したように、たとえ所得が高かったり児童がいなかったりしても、給付金が支給される場合があります。一度お住いの自治体のHPを見て、自身が対象になる給付金がないか確認してみることをおすすめします。
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