中小企業庁の大人気の補助金「IT導入補助金」の公募が13日に開始しました。IT導入補助金は中小企業がITツール導入により業務改善・生産性向上を図る取り組みを支援します。今回は今年のIT導入補助金について解説します。
補助対象となるITツールは、「IT導入支援事業者」が登録したITツールのみになります。ITツールは「ソフトウェア」「オプション」「役務」の3つのタイプがあり、各々にいくつかの「プロセス(導入目的)」があります。また、ITツールがどのプロセスに対応しているかという情報が記載されています。申請者はプロセスの合計数が一定数以上になるよう、ITツールを選択することになります。
そのプロセスの合計数によって、「A類型」と「B類型」に分かれています。A類型は補助額30万~150万円未満・補助率2分の1、B類型は補助額150万~450万円未満・補助率2分の1が補助されます。
通年公募で申請しやすく
この補助対象の要件は前回のIT導入補助金とほぼ変化はありません。一方、公募期間は大幅に変わりました。今までのIT導入補助金の公募期間は2~3ヵ月間のみでした。しかし、今回からは通年公募となります。3ヵ月ごとに締切が設けられ、1次公募(13日~31日)、2次公募(6月締切予定)、3次公募(9月締切予定)、4次公募(12月締切予定)がなされます。補助金申請は電子申請のみ受け付けており、「GビズIDプライムアカウント」の取得が必須になります。
申請の流れとしては、まず自社の業務改善・生産性向上にどのような施策が必要か明確にします。その上で、その施策を可能にするITツールの選定を行います。
次に、そのITツールを扱うIT導入支援事業者と事前の打ち合わせを行い、その事業者から「申請マイページ」への招待を受けます。そして、マイページ上で必要書類を提出すれば交付申請は完了となり、書類の審査を受けます。審査の加点対象としては、「テレワークの導入(1次公募のみ)」「地域経済牽引事業計画の承認の取得」「地域未来牽引企業に選定される」「固定資産税ゼロの特例を措置した自治体に所在する」「クラウドを利用したITツール導入」があります。一方、過去3年間にIT導入補助金の交付を受けている場合は審査の減点対象となります。
1次公募は新型コロナ対策に
以上が今回のIT導入補助金の概要となりますが、1次公募のみ他の公募と要件が若干異なります。この1次公募はあくまで新型コロナウイルス対策のために臨時的に設けられたものであり、公募要項もその事情に合わせているからです。
1次公募における留意点としては以下4点があります。第一に、1次公募では新型コロナ対策に有効なテレワーク導入を優先的に採択します。具体的には、テレワークに必要なコミュニケーションツールを導入すると、審査の加点対象となります。第二に、申請はA類型のみ可能となります。B類型は2次公募以降に申請できます。テレワーク導入にB類型ほどの補助額は必要ないこと、または1企業あたりの補助額を減らしてなるべく多くの企業にテレワークを導入してほしいという狙いがあると考えられます。第三に、2019年度IT導入補助金で交付決定を受けた企業を担当したIT導入支援事業者のITツールが補助対象になります。ITツールの新規受付は2次公募以降となります。実績があるIT導入支援事業者のみに補助対象企業のサポートをさせることで、迅速且つ効率的なIT導入を可能にするためです。
そして第四に、1次公募に限ってGビズIDプライムアカウントを取得しなくても申請できます。GビズIDプライムアカウントは取得に1~2週間を要するため、その期間を省略することで申請を迅速化する狙いがあります。
このように、1次公募では中小企業がテレワークを迅速に導入することがメーンの目的となっています。また、新型コロナの感染状況によっては、2次公募以降もテレワークの加点項目が継続される可能性があります。テレワークを導入していない企業、またはテレワークを拡充しようと考えている企業は是非IT導入補助金の申請を検討してみてください。
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株式会社ナビット(https://www.navit-j.com/)
東京都千代田区。「地下鉄乗り換え便利マップ」などを展開するコンテンツプロバイダー。地域特派員5万8100人の全国の主婦ネットワークにより、地域密着型の情報収集を得意とする。
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