
経済成長期における住宅不足を解決するために国が推進した政策である都市郊外の戸建て住宅団地には、同じ世代・類似した家族構成の人々が多く入居した。各地域の行政や住宅・インフラなどの関連事業者は、積極的に住宅および街そのものを整備した。だが、今その住宅団地では、高年齢化や中心都市への若年人口流出などにより空き家が増加している。公共交通が行き届かなくなり、商業施設の撤退も発生――利便性の低さからさらに人口減少が進むという負のスパイラルに勢いよく陥り始めている。エリアの価値低下が進行しないうちに、具体的な対応が迫られている住宅団地で、動き始めた再生への取り組みを探る。