東日本大震災を契機に国や地方自治体は、防災・減災を改めて重要な施策と位置づけている。最近の国土強靱化法も首都圏地震対策も、住宅に対する対策のキーワードは耐震化と不燃化だ。これらは新しい取り組みではないが、目標と期限を明確にして耐震化と不燃化を強力に進めている点が震災前と大きく異なる。
政府は6月3日に今後5年間にわたる国家レベルでの防災や減災の指針となる「国土強靱化基本計画」と、それに基づく年度ごとの施策実行方針である「国土強靱化アクションプラン2014」を決定した。
基本計画において住宅都市分野については、密集市街地の火災対策、住宅・学校などの耐震化、建築物の長周期地震動対策などを示した。
20年までに耐震化率100%
また、アクションプログラムでは、起きてはならない最悪の事態として「建物・交通施設等の大規模倒壊等による死傷者発生」をあげ、これに対する取り組み推進施策例として住宅・建築物の耐震化を取り上げた。それに対応する重要業績指数(KPI)を例に2020年までに住宅の耐震化率を100%に引き上げるとした。住宅に関しては、耐震化の促進がハード面での安全・安心を支える中心施策になっている。
首都直下型地震の発生危険性が指摘されている首都圏においては、発生時の被害を最小限度にし、素早い復旧が求められる。
国が関わる施策だが、地域が絞られるため住宅の耐震化についても面的な側面や自治体・地域社会との関わり方などハード・ソフトの両面できめ細かい対応になる。