需要掘り起こしへ新戦略、リフォームの「プレゼント」は根付くか

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5月の第2日曜日は「母の日」。今年65周年を迎えるクリナップは5月11日の日曜日、東京・台場のアクアシティお台場で「第2回親孝行って、いいね!キャンペーン」の授賞式を開催した。

同キャンペーンは、同社のブランドステートメント『キッチンから、笑顔をつくろう』を実現することを目的に実施した。「大切な両親にキッチンをリフォームしてあげたい」と思ったエピソードを募集し、優秀な作品は、同社のショールームアドバイザーとともに実際のキッチンリフォームプランを作成。インターネットによる応援投票などの審査を経て、最も優秀なエピソードを送った人には、同社の最高級システムキッチン「S.S.」(最高500万円)をプレゼントする。今回は、全国から2598人の親孝行エピソードが寄せられた。

授賞式は、シンガーソングライターの森恵さんをスペシャルゲスト・プレゼンターに迎え、式の様子はインターネット番組配信サービスのユーストリームやツイキャスで世界同時配信。会場では、アクアシティを訪れた多くの買い物客が足を止め、ファイナリスト5人の親孝行エピソードに共感していた。

最優秀賞を受賞したのは、神奈川県の雨貝さん・小松さん姉妹のエピソードで、「怪我で体が不自由になった母に、『危険度ゼロに近い、最高の状態の台所』で、安全で快適なキッチンをプレゼントしたい。我ら姉妹2人の料理で母を笑顔にしたい」という内容。現在のキッチンは約30年前の流し台で、収納スペースが狭い。高い位置にある吊棚は母には高すぎて使えない。椅子に乗って背伸びしながら物を取るのが危ない。床下収納のフタが重すぎて指を挟みそう――など。危険要素を一掃したキッチンにするのが姉妹の要望だった。

授賞式では、娘から母に最優秀賞の目録やカーネーションなどが手渡され、親子で喜びを分かち合った。雨貝さん・小松さん姉妹のキッチンの仕上がり具合は、7月上旬に同社ホームページ上で動画で公開される。

このほか、ファイナリストに選出された4人のエピソードには、「家電の置き場所がない」、「調理スペースが狭い」、「汚れが取れない」などの困りごとが多くあげられている。

大切な家族に「リフォームを贈る」という行為は、これまでの生活を思い返しながら、家族みんなでこれからの暮らし方や理想の住まいを図面に落とし込んでいくもの。リフォームを贈ることで家族の絆が深まり、暮らしの満足度も高まる。

クリナップは、親孝行キャンペーンを通じて「心の活性化に役立てて欲しい」と、実施の狙いを説明した。

一般社団法人住宅リフォーム推進協議会(東京都千代田区、内藤弘康代表理事)が毎年実施している「住宅リフォーム実例調査」によると、2013年度のリフォーム契約金額は、戸建て・マンションともに1千万円超の高額リフォームが増加。築年数は、31年以上(戸建て26・6%、マンション22・4%)がもっとも多くなっている。

また、リフォームを実施した世帯・住宅の基本属性は、戸建てが50~60代の核家族や夫婦のみ世帯が約7割と多く、三世代は約1割にとどまった。マンションは、戸建てに比べると年齢層はやや若く、50代が中心。核家族と夫婦のみ世帯が多く、単身世帯は1割強という状況だった。

同調査でも、リフォーム工事は、キッチンや浴室、洗面化粧台などの住宅設備の変更(同72・4%、同86・6%)が、壁紙や床の張替えなどの内装の変更(同72・0%、同87・4%)と並んで多い(複数回答)。水回りはリフォームの主役になっている。

2014年05月22日付4面に掲載
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2018年12月25日 住宅産業新聞社 編集部

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